出版社内容情報
ジャンルを越え、小説の面白さを追求する画期的アンソロジー『冒険の森へ 傑作小説大全』第11巻。
ヘミングウェイの文体を想起させる、無駄な描写を削ぎおとした2長編を中心に、「復活する男」たちの物語を全13編収録。
無駄な描写を削ぎおとした2長編が柱である。
「男の復活」物語といえば、まずヘミングウ ェイの「老人と海」が想起されるが、ビルド ゥングス・ロマンの変型である。そのテーマ に沿った傑作を並べられた幸福を喜びたい。
[収録作]
【長編】
飯嶋和一 「汝ふたたび故郷へ帰れず」
北方謙三 「檻」
【短編】
隆慶一郎 「ぼうふらの剣」
白石一郎 「秘剣」
浅田次郎 「門前金融」
乃南アサ 「彫刻する人」
藤原伊織 「雪が降る」
東野圭吾 「誘拐天国」
【掌編】
星新一 「使者」
城昌幸 「スタイリスト」
眉村卓 「拾得物」
景山民夫 「ボトムライン」
大沢在昌 「二杯目のジンフィズ」
内容説明
彼は運がいい。誇りを取り戻す機会が与えられた。誇りか。肉体か。心か。失くしたものをとり戻すため、男の疾走が始まる。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
57
あまりに本が増えすぎて全集は買わないと思っていたのですが最近、池澤さん編集の日本文学全集とこの「冒険の森へ」という全集を購入することにしてしまいました。内容的にはすでに読んだものがほとんどなのですが、これだけまとまって集めてくれるとだめですね。この巻には長編として飯嶋和一、北方謙三、短篇が東野圭吾、浅田次郎、乃南アサ、藤原伊織、隆慶一郎、白石一郎、シュートショートに星新一、城昌幸、眉村卓、景山民夫、大沢在昌が収められています。解説が今野敏、解題が池上冬樹さんです。2015/05/15
starbro
25
集英社の創業90周年企画 傑作小説大全「冒険の森へ」全20巻完読プロジェクト始動しました!第一弾は第11巻「復活する男」です。ショートショート(アンティパスト)から始まって短編(パスタ)、長編(メインディッシュ)、最後に解説(ドルチェ)につながる構成は、カリスマシェフのフルコースのようです。名手揃いのため、どの作品も甲乙つけ難いですが、東野圭吾の「誘拐天国」がオススメです。今野敏の解説「私的ハードボイルド考」もGOODです。約2年にわたる胸躍るアメージングな冒険の旅のスタートです!2015/05/31
はれひめ
24
図書館予約待ち。まさに傑作大全。錚々たる作家さんに釣られました。東野さんのブラックユーモアそうそう昔はこんな感じだったと感慨深い。が既読。楽しみにしていたアサ先生も既読。目玉と思われる北方謙三さんは私の好みには合わず。十年以上前の発表作多数で編集者さんやツウ好みの読書家さん向け。2015/08/22
羊のふかふか
16
贅沢な本‼東野圭吾さんの作品は既読でしたが、好きな短編作品だったので改めて楽しく読む事ができました。2015/06/23
ぐうぐう
15
『冒険の森へ』第一回配本。シリーズタイトルや、編集委員の顔ぶれを眺めていると、冒険小説やハードボイルド系の小説を収録した全集という印象を持ってしまうが、ジャンルを越境し、ともかくおもしろい小説を収めようと意図されているようだ。今巻には、タイトルが示すように復活をテーマにした作品が選ばれている。なるほど、いきなり冒頭が星新一のSFショートショート「使者」で始まり、東野圭吾のユーモアミステリ「誘拐天国」に、隆慶一郎の時代小説「ぼうふらの剣」など、多彩なジャンルが収録されている。(つづく)2015/05/23