出版社内容情報
冷戦下の戦いがどう繰り広げられていたのか
第二次世界大戦後、深まる米ソの対立。核戦争の恐怖、情報戦の拡張、そして「平和日本」に誕生した自衛隊。大国の論理に翻弄される世界情勢とそこに生きる人々の苦悩を、堀田善衞らが描く。
目次
1(蒼ざめた馬を見よ(五木寛之)
反共主義(長谷川四郎)
叢林の果て(辻邦生))
2(台所にいたスパイ(筒井康隆)
エスキモー(開高健)
「ゴジラ」の来る夜(武田泰淳))
3(F104(三島由紀夫)
草のつるぎ(野呂邦暢)
若鷲の歌(浅田次郎))
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころりんぱ
53
生まれた時から学生時代にベルリンの壁が壊されるまで、ずっと冷戦時代だったんだなと改めて。なんとなくソ連は悪で、共産主義は怖くってというイメージを持っていたのも、そんな時代に育ったからなのか。でも実は日本人も揺れていたんだ、どちらがいいのか選べずに揺れていた人も多かったのだと知った。自衛隊のイメージもこの数十年で確かに変わったのだ。いろいろな作家さんの描くその時代を読むのは楽しい。筒井さんってこれで初めて読んだけど、ぶっ飛んでて面白かった。浅田さんの短編は浅田さんらしくてとても好きだった。2016/06/22
あにき
2
どの作品も時代の空気をよく反映している。見えない敵と漠然とした不安感が漂っている。野呂邦暢・草のつるぎは自衛隊の新隊員の入隊から配属するまでが描かれており、爽やかな読了感だった。遺された数多くない他の作品も読んでみたいと思った。2013/03/09
てまり
1
野呂邦暢いいな。三島由紀夫のはどうも奇をてらった感じ。2013/08/07