日本人の戦争観はなぜ「特異」なのか―日本と欧米の比較にみる戦争と人間の風土

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784072475683
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

日本人がなぜ「戦争オンチ」なのか、この本全て納得がいきます。第1章 食い違う戦争観と平和観(捕虜を殺せば戦争はなくなる、捕虜になっても戦意は失わない、戦争と死は別もの……)第2章 戦争の中の歴史(国王は軍司令官、戦争は慢性食料難から、個人の武装権と国家の武装権、戦争を念頭に置く社会科学、戦争は一種のスポーツ、捕虜は金儲け……)第3章 人工的な国家(たよりになる国家と国旗、あてにならない人種と言語、はっきりしない前近代国家、契約論を否定したナチスの悲劇、どこにもない日本の鎖国的発想……)第4章 たかい軍人の社会的地位(軍人はあこがれの恋人、なお存在する外人部隊、軍人より軍事に明るいシビリアン、社会の外の日本軍人……)第5章 対照的な死生観(ひとりで死ねない欧米人、生と死の断絶、自殺禁止の意味するもの、死は嫌悪と憎悪の対象……)第6章 これからの日本(限定戦争こそ欧米諸国の本命、世界の悲劇と日本の将来、特異な戦争観はいつまで)

内容説明

憲法9条や反戦の議論をする前に日本人が知っておきたい歴史の常識。戦争はスポーツ、捕虜の優遇は金儲け、戦争と死は別もの、文民が軍人よりも軍事通…こんなこと、日本人は理解できますか。

目次

1 くいちがう戦争観と平和観
2 戦争のなかの歴史
3 人工的な国家
4 たかい軍人の社会的地位
5 対照的な死生観
6 これからの日本

著者等紹介

鯖田豊之[サバタトヨユキ]
1926年奈良県生まれ。京都大学文学部卒、西洋中世史専攻、文学博士。京都府立医科大学名誉教授。2001年逝去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダンボー1号

7
日本人の戦争観は「特異」だと。欧米は1/3の戦力喪失で降伏捕虜で生き残る選択、休戦もあり、一時帰休で交代して限定戦争 スポーツ感覚だと日本は皆必死決死で休みなんてない、戦争アレルギー憲法アレルギー核アレルギーであり大騒ぎする。戦争=核と連想、平和運動はきれいごとでならないといけないと。欧米は平和運動は起きても限定戦争に対してのみ。と1967年書かれ2005年復刻。ところどころ今の情勢にも合致するところあり。欧米に比べ大騒ぎしすぎらしい。集団的自衛権は世界の認識なのかな?2015/09/17

ピオリーヌ

6
初出は昭和42年。著者の専門であるヨーロッパ中世史の記述が詳しい。従軍牧師の存在がある「一人で死ねない」欧米。そこには生と死の断絶がある。2021/01/24

ポルポ・ウィズ・バナナ

4
初出は67年ということで?相当微妙な主張も多い(西欧人は血に慣れているとか)。ただし、当時は「特別攻撃隊→半強制で内心不賛成な人も少なくなかった」という認識だったんだな。それが今では。 ◎戦争は「攻撃をしかけるもの」によって引き起こされるのではない。「抵抗するもの」が起こすのだ。畢竟、平和は作るものであり独りでにうまれるものではない ◎時に軍人より軍事に詳しいシビリアンがいる。欧米諸国の人はすべて潜在的軍人 ◎帰休制度なしに戦争をやれない欧米諸国と、慰安婦制度で代用し戦闘能力を維持しようとした日本。 2018/07/09

星辺気楽

2
日本人が厭戦的で欧米人が好戦的だという偏見が漂っていて、ちょっと違うんじゃないかという気がずっとしていた。ただ、これが書かれたのがベトナム戦争の真っただ中だということである程度納得できた。2015/04/30

MIRACLE

1
欧米の戦争観・平和観を、国家・軍人・死生観から、解明した本。欧州では、牧畜で栄養を補ってきた。逆に、他人の家畜を奪えば、食料難を解決できた。そのため、欧州は、つねに戦時体制だった。一方、日本では戦争は、異常で非日常な状況だった(過去五百年間の戦争回数は、英仏が70回強にたいし、日本は9回)。つまり、戦争とは、欧米では相手を殺す機会であり、日本では自分が死ぬ機会だった。したがって、日本の立場を守るには、欧米の戦争観を身につけ、戦争を肯定するのでなく、日本の戦争観(戦争=死)を世界に訴えることが必要なのだ。2014/09/04

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