“正義”の生物学―トキやパンダを絶滅から守るべきか

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“正義”の生物学―トキやパンダを絶滅から守るべきか

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065190906
  • NDC分類 468
  • Cコード C0045

出版社内容情報

私たち人間は、地球に「六度目の大量絶滅時代」をもたらしてしまった。保全生物(生態)学という生物多様性を守るための学問の重要性が、かつてなく高まっている。

それにしても、生物多様性を守らなければいけない理由とはなんだろうか? パンダやトキが絶滅すると、何か不都合があるのだろうか? じつのところ、生物学はこれまで「保全の理由」をうやむやにしていた。いまあらためて、「命」との向き合い方の話をしよう!

【おもな内容】
序章 生物の保全は必要か?
第1章 保全不要論――絶滅は自然の摂理か?
 1-1 今と昔の生物多様性
 1-2 第六の大量絶滅は自然のプロセスか?
第2章 ヒトがもたらした絶滅の歴史
 2-1 ヒトの起源と世界進出
 2-2 ヒトは悪気のない死神か?
 2-3 未来の技術で環境問題は解決可能か?
第3章 〈弱肉強食論〉を考える――強い種が弱い種を絶滅させるのは自然の摂理か?
 3-1 弱肉強食は自然の摂理か?
 3-2 社会ダーウィニズム――弱肉強食の誤解がはびこった時代
第4章 脆弱な保全論――トキやパンダは役に立つ?
 4-1 役に立つ種
 4-2 論理的にアウト――〈役に立つから守る論〉の問題点
第5章 正義の生物学――保全は人の宿命か?
 5-1 人間日中心主義
 5-2 そもそも種は存在するのか?
 5-3 正義の生物学

内容説明

現在、一〇〇万種以上の動植物が絶滅の危機に瀕している―過去の地球で起きた五度の“大量絶滅”をはるかに凌ぐ勢いで生物多様性が失われつつあることがわかってきた。この第六の大量絶滅期を生きる私たちは、生き物の保全をおこなうべきだろうか?もしおこなうべきだとすれば、その理由はどこにあるだろうか?

目次

序章 生物の保全は必要か?
第1章 保全不要論―絶滅は自然の摂理か?
第2章 ヒトがもたらした絶滅の歴史
第3章 強い種が弱い種を絶滅させるのは自然の摂理か?―“弱肉強食論”を考える
第4章 トキやパンダは役に立つ?―脆弱な“役に立つから守る論”
第5章 “正義”の生物学―保全は人の使命か?

著者等紹介

山田俊弘[ヤマダトシヒロ]
博士(理学)。1969年生まれ。広島大学大学院統合生命科学研究科教授。現在の研究テーマは生物多様性、熱帯林保護。2015年、日本生態学会大島賞、2019年、広島大学教育賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字スキー

24
地球史上最大最悪の大絶滅期にあるという現在。生物多様性の大切さと複雑さを様々な角度から丁寧に掘り下げ、「現代社会に生きる一人の人間」という枠に囚われない、より大きな意味で「よく生きる」「正しく生きる」という実存的な問題を考えるきっかけとして良書。とはいえ、タイトルや終章での〈正義〉論はちょっと強引な印象だった。生物史的事実や功利主義的な計算と違って〈正義〉は主観的な価値観の問題だろう。2021/09/01

スプリント

15
希少な動物を絶滅から守りたいと思うのが人情。不変の正義と思い込んでいたがそんな単純な話ではなく、究極の選択を読者に与えながら両論を掘り下げていく構成。2020/10/22

DEE

14
トキやパンダを絶滅から守るべきか否か。どちらかを理由とともに選びなさい。 本書の最後に、著者が一番安全な選択肢という形でその問いに答えている。 そこだけ読めば思わず「はっ?」と呟いてしまうかもしれない。 でもそこにたどり着くまでの理路整然とした丁寧な説明を読むと、なるほどと納得できる。そして人間にはまだ考える余地があり、それを考える知能と責任もあると思えてくる。2021/03/03

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

14
牛に食べさせる牧草でその何十倍もの人を養える的な議論があるけど、ちょっと奥さん、文明の礎となった農業そのものが地球という限られた空間のバランスを崩すものなんですってよ!あるだけを食べる原始の狩猟生活が一番自然なんですってよ(当たり前といえば当たり前か)。現在は史上第6番目の大量絶滅期だそうで、それは人類が好き勝手した結果であり、トキやパンダを守るかどうかも所詮は人間の勝手な都合。結局あらゆる議論は人間の「都合」の上に成り立っているわけで、他の動物がどうこうよりまずは自分たちが地球というお釈迦様の掌の上の→2020/08/22

ジン

8
生物学となっていますがほとんどはヒトに関することです。生物を絶滅に追いやり、また一方で保全しようとしているのがヒトなのだから当たり前かもしれません。著書によるとヒトが誕生する前と後で生物の絶滅数は激増しているのだそうです。産業革命から一段と増えるのですが、それ以前の狩猟採集時代からもヒトは他の生命を絶滅に追いやっていたなんて驚きでした。結局、わたしにはトキやパンダを保全すべきなのかという問いかけに作者のような結論は持てませんでした。ずっと考えることなのでしょう。でも本の内容は面白かったです。2020/08/05

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