出版社内容情報
恋愛、友情、自尊心――欲望の先は、グロテスクでブラックで愛おしい。短篇小説の名手が贈る、川端賞受賞作も収録した11編の絶品。恋愛、友情、自尊心――人間の欲望の行き着く先は、グロテスクでブラックで愛おしい!
主人公の奈美はある夫婦と親しくしているが、その妻の虹子よりも、夫の孝一の方に深い友情を感じている。奈美と孝一は、頼りなく不安定な虹子の面倒をみているつもりだ。虹子にまつわる問題を二人で解決することで、二人の親密度は増していく。しかし、孝一の出張中の雨の日を境に、三人の関係は歪み始める。友情と肉体関係――そして今まで見ていた世界は、音をたてて崩れていく。川端賞受賞作「生鮮てるてる坊主」
神戸美子は幼い頃からありとあらゆる悪意を一身に受けてきた。中学の時、積年の恨みは念となりついに同級生の男子を襲う。世にも稀な復讐の才能を手に入れた美子は、教祖と信者を兼任するひとり宗教「みこちゃん教」を設立するが……。「自分教」
スプラッタ描写に定評がある作家・夏耳漱子は、自作に最も似つかわしくないはずの「珠玉」という惹句に取り憑かれてしまった。やがて頭の中で珠玉たちが地位向上と種の保存を騒ぎ出して…!? 表題作「珠玉の短編」
短篇小説の名手が贈る、川端賞受賞作を収録した11編の絶品。
サヴァラン夫人
珠玉の短篇
箱入り娘
自分教
生鮮てるてる坊主
骨まで愛して・・みた
命の洗濯、屋
蛍雪時代
虫やしない
鍵と鍵穴
100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン
言葉用重箱の隅つつき病――あとがきにかえて
山田 詠美[ヤマダ エイミ]
著・文・その他
内容説明
作家・夏耳漱子は掲載誌の目次に茫然とする。自作に付された「珠玉の短編」という惹句。作風に最も遠いその言葉。やがて「珠玉」は妄念となり漱子の頭の中に増殖していくが…。表題作の他、男女の友情を鮮烈に叙景した川端賞受賞作「生鮮てるてる坊主」など、生の残酷と滑稽を鋭敏な言葉で描き出す11の物語。
著者等紹介
山田詠美[ヤマダエイミ]
1959年、東京都生まれ。’85年に「ベッドタイムアイズ」で第22回文藝賞を受賞してデビュー。’87年に『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で第97回直木三十五賞、’89年に『風葬の教室』で第17回平林たい子文学賞、’91年に『トラッシュ』で第30回女流文学賞、’96年に『アニマル・ロジック』で第24回泉鏡花文学賞、2001年に『A2Z』で第52回読売文学賞、’05年に『風味絶佳』で第41回谷崎潤一郎賞、’12年に『ジェントルマン』で第65回野間文芸賞、’16年に「生鮮てるてる坊主」で第42回川端康成文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
James Hayashi
キビ
まるるこ
eriko*