講談社文庫<br> ぴんぞろ

電子版価格
¥605
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

講談社文庫
ぴんぞろ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 157p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062935692
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

哀愁漂うチンチロリン放浪記。浅草でイカサマ賭博に巻き込まれた「おれ」が、さびれた温泉街に流れ着く。第145回芥川賞候補作。浅草・酉の市でイカサマ賭博に巻き込まれた脚本家の「おれ」は、まるでサイコロの目に導かれるように、地方のさびれた温泉街に辿り着く。そこであてがわれたのは、ヌード劇場の司会業。三味線弾きのルリ婆さんと、その孫リッちゃんとの奇妙な共同生活の末に訪れた、意外な結末とは。笑いと哀切に満ちた傑作。

ぴんぞろ
ぐらぐら一二


戌井 昭人[イヌイ アキト]
著・文・その他

内容説明

浅草・酉の市でイカサマ賭博に巻き込まれた脚本家の「おれ」は、まるでサイコロの目に導かれるように、地方のさびれた温泉街に辿り着く。そこであてがわれたのは、ヌード劇場の司会業。三味線弾きのルリ婆さんと、その孫リッちゃんとの共同生活の末に訪れた、意外な結末とは。野間文芸新人賞受賞作家の話題作。

著者等紹介

戌井昭人[イヌイアキト]
1971年、東京都生まれ。’95年、玉川大学文学部演劇専攻卒業。文学座研究所を経て、パフォーマンスグループ「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げ。のち作家となる。’14年に第40回川端康成文学賞を受賞。’16年『のろい男 俳優・亀岡拓次』で、第38回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Katsuto Yoshinaga

16
作者らしき売れない脚本家が、三ノ輪とか入谷あたりの所謂山谷にあるチンチロ博打場でのひと悶着のあと、群馬のひなびた温泉街でヌード劇場を営む祖母と孫の仕事のお手伝いに行く。博打場と温泉街のヌードショーの描写が、とにかく巧くて、イイ。もう、阿佐田哲也と東陽片岡の雰囲気で、死体背負込んで歩いたり、何かの悲劇が感じられたり、事故があったりするのに、涙を連想することがないのである。解説で石田千氏「かなしい場面で悲しむ書き手は低級」という深沢七郎氏の言葉をひいており、実に納得。これ、芥川賞に選んでほしかったなぁ。2021/04/07

とら

16
良くも悪くも、自分の見たことのない世界を見せてくれたという点でとても良かった。何てことのない日常とも見れるし、異世界のようにも感じる。人生というものがサイコロの目のように導かれるのであれば、ああいった土地にも人たちにも馴染んでゆくものなのだろうか。自分には無理だなあ、とか思いながら読んでいた。ある程度年を重ねたら分かってくるのかもしれない。そして、もうひとつの短編「ぐらぐら十二」と、表題作が同じような読後感だったのも少しおかしい。不思議な安心感。2017/11/23

S.Mori

15
戌井さんの作品は、初めて読んだのですが非常に私好みでした。「ぴんぞろ」ではパッとしない脚本家が騙されるようにして、さびれた温泉街に連れて行かれ、そこで泥縄式にストリップ劇場の司会をすることになります。うらぶれた詩情が漂う雰囲気が好きでした。登場人物の中ではルリ婆さんに味があります。彼女は三味線弾きで、観客の罵声にもひるむことなく自分の芸を続けます。結末の一行がおそろしく巧いです。ここで読者は別世界へひょいと連れて行かれます。芥川賞を取れなかったのは残念です。2019/11/03

SGM

11
2作目ですが戌井昭人さん好きな作風かも。昭和チックというか郷愁感というかアングラというか頽廃的というか。つげ義春さんのシュルレアリスム的な感じというか。なんともうまく表現できないので読んでほしい笑 純文学というと変に暗い心理描写が多かったりするけどそういうのは最低限でほんとにシンプルな描写の連続といった感じ。テーマたいそれたものはない。そういう感じがいい。2021/07/29

poderosa2

9
人生とか地球とか世界とかは、多分誰かがサイコロを振って決めている。進んでるのか、進まされているのか、転がっているのか、転がされているのか。そんな漂う人生を切り取って見せてくれたような作品。明日、オレは君はワタシは何処で何をしてるんだろう?2017/05/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11491761
  • ご注意事項