講談社文庫<br> 襲名犯

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講談社文庫
襲名犯

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062931687
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



竹吉 優輔[タケヨシ ユウスケ]
著・文・その他

内容説明

ある地方都市で起きた、動機不明の連続猟奇殺人事件。逮捕された美青年は、怪物「ブージャム」の異名で恐れられ、熱狂的な信奉者を生み出した。やがて彼の死刑は執行。事件は終結したかに思われた。その矢先、現場にかつての「異名」を記した、新たな猟奇殺人が発生する。人の心の闇を描く江戸川乱歩賞受賞作!

著者等紹介

竹吉優輔[タケヨシユウスケ]
1980年茨城県生まれ。二松学舎大学文学部卒業後、東洋大学大学院で日本文学を研究。茨城県の図書館で司書として働くかたわら、小説の執筆を続ける。2013年、『襲名犯』で第59回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bugsy Malone

65
猟奇連続殺人で死刑になった男ブージャム。そして刑の執行を切っ掛けに、ブージャムを名乗る「襲名犯」による第二の連続殺人の幕が切って落とされた。気を付けて読んでいれば途中で犯人の見当はついてしまう。それでも面白く、犯人の語りによる思わせぶりな過去、それぞれの立場から綴られる現在と、次々とページを捲ってしまった。欲を言うなら、面白かった故に動機や人物像をもっと突っ込んで描いて欲しかった。江戸川乱歩賞受賞作2016/07/22

えみ

59
二つの“絶望”。そこにあったのは、同じ響きの言葉でも全く性質が異なる厭世観だった。否応なく目撃することになるのは、止め処ない破壊と心を殺すほどの悪意。孤独にのまれた失望。そして極限まで追い詰められた犯人と被害者たち。誰が憎いのか何が罪なのか…裏切りで失くしたモノはどんな形のモノだったのか。事件が起こる度に畳み掛けるように襲いかかる不安と予感。纏わりつく憎悪。猟奇殺人犯「ブージャム」の死刑執行で全ては終わるはずだった…が、終わらない猟奇殺人!双子の兄弟が巻き込まれた悲劇の真実に驚愕し絶望すること間違いない。2021/08/26

momi

41
第59回江戸川乱歩賞受賞作!14年前人々を震え上がらせた連続猟奇殺人事件!!「ブージャム」と呼ばれた犯人の死刑が執行された!彼を熱狂的に崇拝する信奉者がいる中、第二の「ブージャム」が現れる!!14年前起きた事件が繰り返されるのか!この作品の登場人物と同じく著者も図書館司書とのこと…。なので図書館の裏側や司書の仕事など、描写が細やかで大変興味深かったが、難しい言い回しや文章が読みづらいのと、大変読み応えのある作品なのに、あらい部分があり分かりづらい…。動機ももっと入り込んだ方が良かったような…残念です。2015/08/19

ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう

34
猟奇殺人、七人もの命を奪って死刑になった新田に代わり、同じ手口で犯行を行い始めた犯人がいた。一方図書館で働く南条仁は、新田に殺された双子の兄弟の片割れであった。猟奇殺人者はブージャムと呼ばれ、仁の友人である刑事の律子と作家の霜野は第二のブージャムを探し始める。兄の代わりとなって養母の息子を演じなければならなかった仁、そして今更ながら新田を逮捕へ導いた兄の存在を突きつけられ、狂信者に復讐されるかもしれない恐怖が仁を襲う。思わぬ人物が犯人だったが、読後感は悪くない。面白かった。2015/08/27

kirin

22
第59回乱歩賞受賞作。模倣犯ではなく襲名犯とした所がいい。犯人がなんとなく想像できたり、凄惨な殺人のわりに描写があっさりしていて襲名される程「ブージャム」にカリスマ性が感じられない気がするものの、筋立ては魅力的で最後まで面白く読むことができた。過去の事件の被害者の双子の弟であり、公共図書館の司書が主人公で、友人の小説家と事件に関わるが、作者自身が司書であり小説家ということで、この二人両方に作者が重なり読み進めた。図書館司書の業務内容が詳細に描かれていて、それが一番興味深かった。2016/12/01

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