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講談社学術文庫
ベンヤミン―破壊・収集・記憶

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  • サイズ 文庫判/ページ数 537p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062919791
  • NDC分類 940.28
  • Cコード C0110

内容説明

第一次大戦の前から第二次大戦へと突入していく時点まで、ヨーロッパの最も悲劇的な時代に知的活動をしたベンヤミン。その思想の根底にはドイツ青年運動、ユダヤ神秘主義、シュルレアリスムがあった。右か左かという出来合いの選択を拒否、破壊・追憶を武器にアクチュアリティを追求した思想家の、亡命、自死へと到る孤立無援のラディカリズムに肉薄する。

目次

プロローグ―巨大な「否」
第1章 ベルリンの幼年時代
第2章 精神の反抗
第3章 言語と神学への沈潜
第4章 法、神話、希望
第5章 アレゴリーとメランコリー
第6章 ベンヤミンの方法
第7章 評論家ベンヤミン―ヴァイマールの坩堝のなかで
第8章 亡命とパサージュ

著者等紹介

三島憲一[ミシマケンイチ]
1942年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。専攻は社会哲学、ドイツ思想史。東京経済大学教授、大阪大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

53
「現代思想の冒険者たち」シリーズからこの文庫になったのはバタイユだけかと思っていたがこれもそうだった。加筆訂正をしているらしい。難解で稀有な思想家の評伝。試しに借りたが内容の濃さに改めて購入して読み直したい。印象的なエピソードの一つを紹介。ベンヤミンの家はベルリンで10本の指に入るほどの財産家だったそうだ。ベンヤミンの叔母は8人の子を産んで、ベンヤミンの父は洗礼、誕生のお祝いとして、8人それぞれに10万ライヒマルクづつを贈ったという。この金額は当時のドイツの単純労働者の年収の100年分以上に相当する……2017/03/17

白義

21
現在から見ると美しくロマンチックに映る神話の世界も、かつて人間を支配していた原初の社会的暴力の姿に他ならない。しかしその暴力は単純に否定されるものでもなく、神話を「破砕」することによってその核にある、未来のユートピア、革命に向けたエネルギーを得なければならない。こうした、神秘主義とマルクス主義が不思議に結合し、独特の逆説に満ちたベンヤミンの生涯と思想を、丁寧に描き出した傑作評伝。恐らくベンヤミン関連の解説、伝記としてはトップクラスの出来映えだろう。さすがにベテランの著者だけはある2015/01/07

さえきかずひこ

10
ベンヤミンの生涯とその思想を力強くまとめあげた一冊。第8章が特に難解で、アドルノのベンヤミンへの認識を批判的に読み解いていくところは、ハイコンテクストでクラクラした。また『複製技術時代の藝術作品』の影響が大きく、ベンヤミンのアウラ概念が偏って理解されているので、ベンヤミンの他の著作におけるアウラ概念を例示し、その概念の多様さを説いてゆくくだりには感銘を受けた。ベンヤミン理解におけるユダヤ神秘主義の重要性と、彼のメランコリックでデカダンな人間性についても知的迫力に満ちた丁寧さでフォローしていて、素晴らしい!2018/03/13

kushuka

0
飛ばし飛ばし読了。以前に読んでみようと思った時は、人物史が多過ぎるかなーと思ったけれど、今読むと割と良い入門書かな。「歴史の概念のついて」しかまともに読んでないけれど、「ゲーテの『親和力』」とかもようやく読みたくなった。2013/08/18

home alone

0
難しい。アレゴリーのあたりがさっぱりだった。ベンヤミン自身の本に当たった方がわかりいいかも2012/03/30

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