講談社文芸文庫<br> 京伝店の烟草入れ―井上ひさし江戸小説集

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講談社文芸文庫
京伝店の烟草入れ―井上ひさし江戸小説集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 279p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900461
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

この手でお天道様を拵える、それが出来たら死んでもいい…若い花火師の野望と、権力に屈し筆を折った戯作者の苦い矜持が作り出す一瞬の美―知られざる名篇「京伝店の烟草入れ」。弾圧を躱し強かに生きた戯作者達の肖像を、地口、洒落等技巧の限りを尽して描く『戯作者銘々伝』より、式亭三馬、唐来参和等八篇。硬直した時代の価値観を強靭な笑いと反骨精神で痛撃、“昭和の戯作者”と称された作家の原点ともいうべき初期秀作集。

著者等紹介

井上ひさし[イノウエヒサシ]
1934・11・16~。小説家・劇作家。山形県生まれ。上智大学外国語学部フランス語学科卒。浅草フランス座文芸部を経て、戯曲・テレビ脚本で頭角をあらわす。70年代から小説にも手を染め、72年、「手鎖心中」で直木賞を受賞。以後、小説戯曲双方で話題作を発表、戯曲『しみじみ日本・乃木大将』『小林一茶』で紀伊國屋演劇賞、読売文学賞(戯曲部門)を、『吉里吉里人』で日本SF大賞、読売文学賞(小説部門)を、『腹鼓記』『不忠臣蔵』で吉川英治文学賞を、「シャンハイムーン」で谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。84年より劇団「こまつ座」を主宰、87年、郷里山形県川西町に蔵書を寄贈して開館した「遅筆堂文庫」を拠点に「生活者大学校・農業講座」を開校する等、多方面に活動し、2001年、「知的かつ民衆的な現代史を総合する創作活動」で朝日賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

onasu

7
井上ひさし氏の文章は、いいですね。  山東京伝とあって欠かせないのは、江戸の板元蔦屋重三郎。たまたま手にして、めくってみると、当然おられる、ご一行さま。先日読んだ島田氏の「写楽」とは、また異なる蔦重さんたち。最近、お気に入りです。  続いては、戯作者銘々伝。江戸の有名無名の戯作者たちを、係わりのあった者が語っていく。戯作者仲間だったり、弟子であったり。語るスタイルも、最後のオチも実に巧妙です。  あとがき、解説にもありますが、著者は江戸の戯作を愛して止まない。その愛が感じられる一冊でした。2013/02/09

AR読書記録

3
独白体の、最後にどんでん返しという構成の小品が続くと、正直少し飽きてくる部分はある。小説よりは、一人舞台で観たい感じもする。しかし、江戸の花火師、版木の彫り師、職人の技や心意気なんといきいきと描かれていることだろう。そこにぞくぞくしたし、それに井上ひさしの原点ともいえるという、黄表紙にもとても興味がわくな。2016/01/30

あくび虫

2
面白かったです。ひとつひとつの作品が物凄く慈しまれている感じがする。どれも素直には終わらないところが堪らない。不協和音を響かせるみたいにして締めくくられるのが、どうにも癖になります。2018/06/12

キリアイ

0
井上ひさし自体読むのが久々だったが、戯作者銘々伝はミステリー仕立てというか。最後にどれもどんでん返しがあって…。元々は独白形式はあまり好きじゃないのだが、面白かった。また、表題作は寂しいんだけど、あっけらかん?としていて、オチがとても良いと思った…。江戸の戯作者は知らなかったのだが、興味を持った…。2013/11/04

0
有名・無名の戯作者を取り上げて想像力を駆使して紡がれる人間模様。作者の対象に対する視点の細やかさが堪能できる短編集。江戸もの好きにもお薦めの一本。2010/07/03

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