講談社現代新書<br> 孤独死のリアル

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講談社現代新書
孤独死のリアル

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  • サイズ 新書判/ページ数 209p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882644
  • NDC分類 367.7
  • Cコード C0236

出版社内容情報

2015年には独り暮らし高齢者600万人、「最期は家で独りで」の時代が始まる。知っておきたい現実を元自治体職員の研究者が語る2015年には独り暮らし高齢者600万人、「最期は家で独りで」の時代が始まる。
そのために知っておきたい現実……。例えば、
●遺体の検視は?
●2?3日以内に発見されないと?
●葬儀、部屋、遺品、遺骨などはどうなる?
●男性のほうが孤独死しやすい?
●多少でも財産があれば親族が現れるって本当?
●悲惨でない孤独死とは?
●政府が「自助」を唱える時代にどうすればよいのか?
もはや他人事ではない孤独死問題への必読の書。

プロローグ──ケアマネジャー時代の経験から
ベランダから部屋に立ち入る/応答のない部屋に立ち入るには/チェーンロックを切って/孤独死はまぬがれたが/ケアマネジャーやヘルパー、民生委員の心情/他
第1章 検視医や援助職の立場から──遺体発見の現場
まず警察を呼ぶ/警察の捜査/検視医の役割/ある検視医の話/発見されるまでの日数が問題/検視について/ケアマネジャー──孤独死に接して1/他
第2章 孤独死問題はどう考えられてきたか
1970年代の孤独死問題/阪神・淡路大震災/孤独死の定義づけ/東京新聞と新宿区のとらえかた/UR都市機構のとらえかた/団地内の孤独死/他
第3章 葬儀業者や遺品整理業者からみた孤独死
団地での葬儀展示会/棺の中に入ってみて/孤独死の葬儀/孤独死でお経を読む──僧侶の話/葬儀業界の事情/葬儀の場所/遺品整理業者の役割/他
第4章 家族と地域社会の変容と孤独死
2015年には21人に1人が独り暮らし高齢者/高齢者世帯の中で独り暮らしや夫婦ふたり暮らしが増えてきた/結婚しない人の増加/熟年離婚/他
第5章 家で亡くなる、病院で亡くなる
「最期は自宅で」と言っても/歴史をさかのぼると/病院死は政府の政策誘導でこれから減っていく/病院で亡くなったが……という経験/孤独死させてしまったという思い
第6章 いま、地域で独り暮らし高齢者を見守るということ
孤独死を考える2つの視点──「孤独死させない」と「早く発見する」/松戸市常盤平団地の見守り活動/孤独死ゼロ作戦/独り暮らし高齢者世帯を夜回り/70代が中心の活発な自治会会議/自治会新聞/常盤平団地の成功の理由/民生委員の後任問題/公務員も地域の見守り活動の一翼を担う/町会と民生委員/NPOに市が委託/新聞配達業による見守り/市役所とヤクルトの連携/他
エピローグ
講演後の感想/死後の後始末の自己責任/人とのつながりとは?/被災地の仮設住宅で/買い物、食事、交流の場/行政のバックアップが必要不可欠/地域包括支援センター/公務員なら責任がとれる/「見守る側」を分類して考える/サービスを必要としている人へのアウトリーチ/65歳未満の孤独死対策/死の社会化の時代/政府が唱える「自助」と筆者が考える「自助」の違い
あとがき


結城 康博[ユウキ ヤスヒロ]
著・文・その他

内容説明

「孤独死はもはや身近な問題」。地方自治体の高齢者福祉担当職を経て研究者になった著者が、経験や現場の本音をふまえて語る。

目次

プロローグ ケアマネジャー時代の経験から
第1章 検視医や援助職の立場から―遺体発見の現場
第2章 孤独死問題はどう考えられてきたか
第3章 葬儀業者や遺品整理業者からみた孤独死
第4章 家族と地域社会の変容と孤独死
第5章 家で亡くなる、病院で亡くなる
第6章 いま、地域で独り暮らし高齢者を見守るということ
エピローグ

著者等紹介

結城康博[ユウキヤスヒロ]
1969年生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒業。法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。 1994~2007年、地方自治体で勤務。この間、介護職、ケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護部署などの業務に従事(社会福祉士、ケアマネジャー、介護福祉士)。現在、淑徳大学総合福祉学部教授(社会保障論、社会福祉学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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大阪魂

51
高齢者の孤独・孤立、ほんま深刻やと思う…うちの近所でも一人暮らしとか夫婦だけの高齢者増えてきてはるしコロナでますます…近所づきあい大事やと思うけど、みんながみんな人づきあい得意な人ばっかりちゃうし、とくに会社しかなかった男性とか難しいかも…自治会とか民生委員も大事やけど善意だけに頼るのは無理やと思うしやっぱ自治体とか警察とか企業とか学校とかいま地域で動いてはるのを活かして、緊急時に助けなく1人でなくなるってことないような、最悪でも亡くなっても2日以内で発見できるよーなこれからの仕組みつくっていかんとやね…2023/06/15

kinkin

40
65歳以上の一人暮らし高齢者は日本人の27人に一人だという。2015年には21人に一人、年々急増している。孤独死は1970年代にも問題視されたこともあるが、1990年代頃までは社会の関心は薄れていく。再び孤独死が注目されるようになったのは阪神淡路大震災であり、2000年以降の構造改革に伴う非正規社員の増加と派遣切りによるまだ若年層の孤独死である。孤独死と自殺死は約6万人、人口の8%が特異な死。先進国という言葉にふさわしくない国になりつつある日本。これからどうなるのだろう・・・・2014/05/29

キムチ27

29
現場の人間にとっては周知のことながら、極めて平易に説かれた副読本と言える。「死の社会化」は不可避の事態であり、自助・公助・互助(共助)の関連性はそれぞれの地域、生活スタイルで考えて行かねばならない。結城さん、よくマスメディアに登場し、解り易いスタンスで解説される。「今世紀初めて」というような天変地異が続出している。そしてアベノミクス、政党間論争では語られる事がないダークの部分、読んでいて面白いはずもない事象だからこそ、50歳を超えたらある程度常識として知っておいて欲しい内容だと感じた。2014/10/07

壱萬弐仟縁

27
孤独死とは、自宅で看取られずに亡くなり、死後数日で発見、自殺や犯罪性を除く遺体(12頁)。悲劇をつくらないためには、気にかけ、気にかけられる社会にしていくことが重要だという(18頁)。同感。身寄りのない自治会で簡単な葬儀を行い、無縁仏となる運命(45頁)。孤立との違いをこだわり過ぎる必要はない(64頁)。来年、21人に1人は独り暮らし高齢者(94頁)。地域社会で認知症が理解されず、孤立高齢者を生み、孤独死予備軍を増やすことになる(112頁)。ゆゆしき事態。 2014/09/06

ゆう。

25
年間3万人を超える孤独死。人にとって、孤独死とはどういう意味を持つのか、現状をリアルに捉えつつ、考えることのできる本だと思います。孤独死は、独居老人の問題であるだけではなく、老老介護の家庭や認知症介護を孤独にしている家庭で介護者が先に死をむかえた家庭など、孤立した世帯の問題でもあります。死は尊厳の問題と結びついていると思います。社会が個人の尊厳をどのように守り、人びとがその人らしく生きて死ぬということを社会が支える仕組みづくりが必要なのではないかとも思いました。2015/03/13

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