講談社現代新書<br> 江戸の小判ゲーム

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講談社現代新書
江戸の小判ゲーム

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  • サイズ 新書判/ページ数 200p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881920
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0221

出版社内容情報

借金棒引き、貨幣改鋳……、松平定信らの所得再分配のためのプロジェクトとは? お金をめぐる公儀と武家と商人たちの興奮のゲーム。松平定信と経済官僚たちの所得再分配のためのプロジェクト!
幕府も武家も商人もWin-Winの関係だった!?
借金棒引き、貨幣改鋳に込められた真の狙い?
支配?被支配という旧来の歴史認識ではわからない江戸時代の実像に迫る興奮の一冊。

第一章 お江戸の富の再分配
第二章 改革者たち
 1棄捐令プロジェクト
 2町会所プロジェクト
第三章 お江戸の小判ゲーム
終章  日本を救った米相場


山室 恭子[ヤマムロ キョウコ]
著・文・その他

内容説明

松平定信と経済官僚たちの所得再分配のためのプロジェクトX!市場にいかに貨幣を流通させるか幕府・武家・商人たちの興奮のドラマ。

目次

第1章 お江戸の富の再分配(五〇年に一度の決まりごと;目的は世上融通 ほか)
第2章 改革者たち(チーム定信の陣容;棄捐令プロジェクト ほか)
第3章 お江戸の小判ゲーム(貯金する罪;改鋳浮説 ほか)
終章 日本を救った米相場(未曾有の大値段;江戸の動き ほか)

著者等紹介

山室恭子[ヤマムロキョウコ]
1956年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程中退。文学博士。現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科教授。専攻は日本史。主な著書に、『中世のなかに生まれた近世』(吉川弘文館、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

97
江戸時代の政治家のやりとりが今の時代でもやりとりが同じような雰囲気で読みやすかった。意外に松平定信が経済に関して自由主義的な立場を取りつつ、商人にも配慮しつつ動いていたのが驚いた。江戸時代って最も日本らしさが育った時代なのかなとおもった。2013/09/06

saga

31
歴史学者がゲーム理論に出会った結果、享保、寛政、天保の三大改革がおよそ50年に一度行われた借金棒引き令を、こんなにも面白く見ることができる本が生まれた。貨幣を改鋳する幕府。幕府が利益を得んがための施策と誤解されていたが、小判の退蔵をさせないため崇高な思いがあったことに感動すら覚える。金銀について「この世上の宝を、一己の私として占用し、こっそり隠し置くなんて心得違い」の一文に賛同。金は天下の回りものなのだ。もっとも銀行業のなかった江戸の話ではあるが……2013/10/25

小鈴

29
めちゃくちゃ面白かった。江戸の金融政策、経済政策を鮮やかに描く。今のように経済学としての理論が成立しているわけではない。その中で勘定奉行ら経済官僚が提案し、調査し、議論を重ね、実施、改善を重ねる。そうまでして努力するのは市場を機能させるためマネー流通をスムーズにするため。50年に一度の棄捐令は富の再分配。町会所は社会保険だ。第二章のチーム定信はまるでプロジェクトXだ。池井戸潤で小説にしてほしい。2017/10/22

だまし売りNo

22
棄捐令に対して富の再分配による格差解消という積極的意義があるとする見解がある。民間が積み上げた財産を恣意的に帳消しにすることを良いことという発想に気持ち悪さがある。同じ頃にフランスでフランス革命が起き、財産権の不可侵が掲げられた。日本では革命は起きなかった。逆に民衆の側でも富の再分配を歓迎する発想があることが、二十一世紀になっても人権感覚が後進的な所以だろう。2022/03/13

禿童子

22
江戸時代の50年ごとの借金棒引とたびたびの貨幣改鋳の背景には、武家の借金が孫の代に残らないようにし、商人に死蔵される小判を廃止して新しい貨幣に交換させることで世の中の景気と流動性を維持する知恵があった?幕府の経済政策は単なる支配・被支配のタテの力学ではなく武家と商人の間のフラットなゲーム理論が働いていたと見る視点は斬新に感じた。堂島の米相場が幕末に10倍の高騰を起こした経緯の推理と相場急落後の顛末も面白かった。前近代には前近代なりの合理性があることがわかる。2017/10/11

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