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講談社現代新書
自己愛な人たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 185p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881609
  • NDC分類 145.7
  • Cコード C0211

出版社内容情報

自己愛がなければ人は生きられない。同時に自己愛は自分を歪ませ人にダメージを与える。自己愛のかたちを通して語る「人間って何?」

「自己愛というものはいまひとつつかみどころがなく、またこの言葉に対する反応も一定せず、人それぞれといった傾向が強いように思われる。…きわめて人間くさく、しかも根源的な要素に違いなく、ならばさまざまな側面が自己愛には備わっていることになる。そうでなければ、人間はもっと単純で薄っぺらで退屈な存在でしかあるまい。…」著者の春日武彦氏はこう述べています。

自分を大事にできなければ、生きづらいし、他人を大事にすることもできません。けれども、反対に、自分の中で自己愛をいい按配にコントロールできなければ、どこか独りよがりになってしまうし、やはり生きづらいし、人間関係でも、相手にじわじわストレスを与えることになってしまいます。
そんなふうにつきあいかたが難しいのが、自己愛なのです。

本書では、著者自身の経験から文学作品まで、自己愛にどうも折り合いがつけられない困った人たちのエピソードを通して、自己愛について探究していきます。「ああ、こんな人いるいる!」と思いながら、どこか自分の心の中も覗き込むことにもなる、そんなエッセイです。

目次

第1章 自己愛に似たもの
第2章 目立ちたがる人たち
第3章 折り合いをつける
第4章 他人を巻き込む
第5章 変装する自己愛
第6章 持て余す自己愛

著者等紹介

春日武彦[カスガタケヒコ]
1951年、京都府生まれ。精神科医。日本医科大学卒業後、産婦人科医を経て精神科医になる。東京都立精神保健福祉センター、都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長などを歴任。現在は成仁病院顧問の立場で、臨床および執筆を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

53
「まえがき」で、<おそらく自己愛は人間に特有の複雑で厄介な要素だろう。人間のグロテスクさや気味の悪さも、自己愛の歪みが大きく関与している可能性が高そうに見える。そんな予感を頼りに、手さぐりで本書を綴っていった>と。自身の体験や臨床から、そして文学作品まで、自己愛にどうにも折り合いがつけられない困った人たちのエピソードを通して、自己愛について話が展開される。特に「緘黙」という小説作品がある著者らしく、いろいろな小説の引用がありました。吉行淳之介の妹、吉行理恵の『記憶のなかに』に惹かれました。読みたいです。⇒2022/06/14

Emperor

32
自己愛に浸る(少し切なくも)イタイ人たちを、精神科医の視点から分析。ちなみに、著者の愛猫の名前は「なると」くん。「ナルシスト」の略だという。2017/01/25

もちもちかめ

27
精神科医や心理学者のエッセイより、ちゃんと専門書や論文を読んだ方が時間の無駄にならないって分かってるのに。うーん。難しい。2017/05/28

my

18
自己愛の反対語は死。確かにそうかもしれない。読みながら「これ自分っぽいな」なんて思うところもあったり、でもそれも自己愛なのか?いろいろな例を持ち出しさっくり書かれていて読みやすかった。2014/10/12

Nobu A

16
同著者の「精神科医は腹の底で・・・」がとても面白かったので期待を込めて購入。期待値が高すぎたか、残念ながら期待外れ。まず、自己愛の定義付けから多側面云々と定まらず。スタート地点がグラつけば、それに続く叙述や考察も当然焦点があやふやなのは必然。構成も第1章「自己愛に似たもの」から最終章「持て余す自己愛」まで解決型でもなく、自己愛を表現した小説や患者を匿名で引用して終始雑感を述べている印象が否めない。誰にでもある自己愛。第3章「折り合いをつける」は自己投射出来、興味を引くものがあったが、全体的には今一つ。2019/01/20

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