講談社現代新書<br> 経済成長神話の終わり―減成長と日本の希望

電子版価格
¥913
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

講談社現代新書
経済成長神話の終わり―減成長と日本の希望

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 336p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881487
  • NDC分類 331.19
  • Cコード C0233

出版社内容情報

経済成長は冷戦期に創られた神話だった! 神話の呪縛から抜け出し、幸せで豊かな新しい日本社会をつくるための処方箋を提示する。「日本復活のカギは新しい経済成長戦略にある」という政府の物語は、民主・自民問わずいまでもあまり変わらない。しかし、かつては有効だった「経済成長することはよいことだ」というシナリオは、高齢化と人口減が急速に進む現代の日本で、いまでも正しいと言えるのか? そもそも、2002年から07年まで続いた経済成長の間、私たちは「豊か」になったのか? 
本書では、米国、日本で企業弁護士としてバリバリのビジネスの現場で活躍を続ける著者が、「経済成長で格差がなくなる」「経済成長で環境問題が解決する」といった日本、欧米などでよく言われる言説がまったく根拠のないものであることを実証、さらに「経済成長神話」の誕生は、冷戦期に共産圏との争いに勝つためのものだったことを明らかにする。
「経済成長」という言葉の呪縛を解き、真に豊かになるための社会を探る。

パート1 経済成長は果たして善か
 第1章 GDPと経済成長の正体
 第2章 経済成長と社会福祉向上の関係
 第3章 経済成長と環境問題
 第4章 経済成長神話の誕生
パート2 経済の価値とは何か
 第5章 大きいことは良いことか?
 第6章 二つの価値
 第7章 間違った未来へ続く道
パート3 成長なき繁栄
 第8章 「減成長」とは何か
 第9章 繁栄とは何か
 第10章 減成長による繁栄とビジネス
 第11章 減成長による繁栄と意義あるイノベーション
 第12章 では、日本はどうすれば良いのか?
 第13章 減成長による繁栄と民主主義


アンドリュー.J・サター[アンドリュー.J サター]
著・文・その他

中村 起子[ナカムラ ユキコ]
翻訳

目次

1 経済成長は果たして善か(GDPと経済成長の正体;経済成長と社会福祉向上の関係;経済成長と環境問題;経済成長神話の誕生)
2 経済の価値とは何か(大きいことは良いことか?;二つの価値;間違った未来へ続く道)
3 成長なき繁栄(「減成長」とは何か;繁栄とは何か;減成長による繁栄とビジネス;減成長による繁栄と意義あるイノベーション;では、日本はどうすれば良いのか?;厳成長による繁栄と民主主義)

著者等紹介

サター,アンドリュー・J.[サター,アンドリューJ.][Sutter,Andrew J.]
国際弁護士、2012年4月より立教大学法学部教授。ハーバード大学で物理学を専攻。1983年カリフォルニア大学ヘースティングス校ロースクール卒業。ウォール・ストリート、ロサンゼルス、及びシリコン・バレーの弁護士事務所にて、証券業法、M&A、エンターテインメント・ファイナンス、知的所有権などの分野で弁護士として活動。その後、シリコン・バレーに本拠を置く世界最大の半導体製造機器メーカー、アプライド・マテリアルズ社で、知的所有権取引及び技術移転を含むM&Aなどを担当

中村起子[ナカムラユキコ]
一橋大学商学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あちゃくん

87
永遠に経済成長は続いていかないとは思っているものの、じゃあどうすればいいの?と思っていたので、手に取りました。著者は立教大学で教鞭をとっている米国の弁護士。日本の現状と今後に話を絞っていて、どこに希望を見出し行動したらいいかを考える上で参考となりました。2014/10/27

ロッキーのパパ

14
ぼく自身、経済成長がずっと続くことに疑問を感じ続けていたので、本書を読んでみた。経済成長が国家目標として重視されてきた経緯など、参考になる情報が書かれていた。ただ、著者は経済学のプロではないみたいなので、本職の経済学者からかなり突っ込まれる内容も含まれているような気はする。最終章では減成長に向けての提言は、日本の政治状況のいかに改善していくべきかが書かれている。本書は全体にわたって日本に対する温かさを感じるけど、この部分には日本を外部から見た冷徹な視点を感じた。2012/07/04

ミッキー・ダック

12
著者は米国の国際弁護士で現在立教大学教授。経済成長をゴールとする政策は、米国追随の新自由主義・市場原理主義・グローバリズムと一体であり、それが信頼と共助に支えられた日本の社会を壊すと警告する。この本の真骨頂は、GDPより人々の暮らしを優先する経済を作り上げるにはどうしたらよいのか、具体的に「減成長による繁栄」として提示している点である。それらは法律を改正すれば実現可能だが、そのためには日本人が民主的能力を発揮する必要があると説く。それで国民全体が暮らしていけるのか良く分からないが、考えるべき時機だと思う。2013/08/21

te_R9

5
これからも延々と経済成長は続くの?という素朴な疑問があったので本書を手に取ってみたけれど,きっちり答えてくれていた.GDP成長率を追うことが個人の幸福につながらないこともよくわかった.新自由主義のダメさがよくあぶり出されていたと思う.著者が日本人と日本社会の良いところをいくつも挙げていたのは嬉しかったが,減成長には日本人の民主主義意識の向上と倫理感を失わないことが大事だと言っているのだと私は捉えた.2012/09/24

壱萬弐仟縁

4
この著者の新しさは、Flourishingという質の高い生活を志向するNGOが支持する考え方を提起していること(180ページ)。繁栄ということで、成長概念とはまた違い、客観的な幸福感や健康から派生する積極的人間像が付随するからである。公民経済という考えでは、相手への思いやり、誠実さ、友情、信頼とある(186ページ)。昨夜は可児から御嵩経由で土岐に抜けたが、バイパスを走っていたのは私のクルマだけ。4車線化する国道のバイパスも走るクルマが少ない人口減少社会なので成長神話に呪縛されている場合ではないのである。2012/11/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4654851
  • ご注意事項