講談社現代新書<br> 生きる希望を忘れた若者たち

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講談社現代新書
生きる希望を忘れた若者たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 227p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881425
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0236

出版社内容情報

「絶望の国の幸福な若者たち」が持つリアリティとは何か。宮台ゼミ出身の俊英が、社会の変動と若者のリアルの変化を繋げた意欲作!

年長者が最近の若者に感じる感覚のズレの正体とは何か? 「自分たちの側に彼らが成長してこない」という感覚の正体とは何か? なぜ若者が、「いま」だけを重視しているように見えるのか。宮台真司門下の俊英が、若者の感じているリアル、彼らのコミュニケーション作法から、1970年代後半以降の日本社会の変動とその問題点を鮮やかに描き、「不確実で残酷な世界」を生きるための処方箋を示す。

序 章 社会学と教育現場の往復から考える
第1章 「虚構」の時代としての現代 1970年代後半を「始まり」とみる
第2章 「いまの愛情」の時代としての現代 1980年代後半を「始まり」とみる
第3章 「塾講師の体験」からみた現代 〈魔のない世界〉からの追放/解放
終 章 「不確実な未来、残酷な世界」を生きるために

【著者紹介】
1970年神奈川県生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。都留文科大学・首都大学東京非常勤講師。社会学博士。著書に『憲法教育と社会理論 立憲主義は現代教育に通用するか』(勁草書房)、共著に『幸福論 〈共生〉の不可能の不可避について』(NHKブックス)、『ブリッジブック社会学』(信山社)、共編著に『21世紀の現実 社会学の挑戦』(ミネルヴァ書房)などがある。

目次

序章 社会学と教育現場の往復から考える(「若者の○○離れ」をめぐって;若者を論ずる三つの理由 ほか)
第1章 「虚構」の時代としての現代―一九七〇年代後半を「始まり」とみる(「一九七〇年代後半」から始めることの意味;「団塊ジュニア前後の世代」の思春期 ほか)
第2章 「いまの愛情」の時代としての現代―一九八〇年代後半を「始まり」とみる(一九八〇年代後半における「新しい子ども観」;「生きる力」と新自由主義 ほか)
第3章 「塾講師」の体験からみた現代―“魔のない世界”からの追放/解放(塾講師の体験を論述するためのただし書き;「小六中学受験コース」を担当する心境 ほか)
終章 「不確実な未来、残酷な世界」を生きるために(なぜ「若者へのお説教」が必要か?;「バラ色の未来」の危険性 ほか)

著者等紹介

鈴木弘輝[スズキヒロキ]
1970年、横浜市に生まれる。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了、博士(社会学)。大学在学中から現在に至るまで、研究のかたわら私立中学・高校の講師、小学生対象の塾の講師として、教育現場に携わる。現在、都留文科大学非常勤講師、現代位相研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒダン

10
現代とは1970年代~の前期型現代と1980年代後半~の後期型現代の併存である。前者は虚構的、後者はいま重視のコミュニケーションを取る。かつての役割(虚構的作法)から今の役割(今的作法)への切り替えによって、切り替えの主体(落差)として「今の愛情」を表出できる。論理展開は多少強引なようにも思えたが、一つの観点・仮説としては十分に興味深い。また、自分の体験をベースにそこから一般論に展開しようという意気込みも面白い。2014/11/14

はるでがると

4
若者論かと思いきや、世代論を使った現代論だったという印象。最後に一応話が若者に着地するけれど、題名があまり適切ではないと思う。とりあえず「少し先の未来」のことを考えて生きていくという提言には同意できるし、全体としても面白く読めた。新書にしては個人の覚え書き的性格が強い気もする。2012/03/15

三上 直樹

3
「貧困世代」「雇用身分社会」に続いて読むと、理屈での社会論と中学受験という恵まれた環境にある子どもにかかわる分析で、それが仮に正しくても浮ついたものとしか思えません。 これをもって生きる希望を忘れたというのでは、貧困世代で描かれている人たちをどう考えればいいのか、もっと真剣に考えてほしいものです。2016/04/27

きいち

3
「若者」のことを理解すべき対象として読み始めた、例えば教員だったり職場の上司だったり支援者だったりといった人たちも、偏見のあるなしを問わず、読み進めるうちにその矛先が自分に向き、自らの「いま」との対峙の仕方を問うものになってくる。そういう意味で戦略的な本、と感じた。 未来は不確実だからこそ、「少し先の未来」に照準を合わせて「好き」「楽しいこと」を定めて前に進み、コミュニケーションの原動力としていく(この過程で「生きる希望」が手に入る)・・著者の提案する戦略にとても有効性を感じる。これもまた、当事者の本だ。2012/04/20

寒上ぺそぎん

3
内容:40歳位のナウいと思ってるおじさんが、近頃の小学生↑とかが研究(?)対象のはずなのに理解できなくて困ってしまったので、若者ネタそっちのけで自分の為に過去履歴辿って一冊書いてみました。という本。タイトルに何か期待して読むと看板に偽りありまくり! で、1冊740円(税別)というのはお高いやも。が。時代時代の雰囲気を捉え、現在に対して「いま」の云々という視点はユニークかもしれない。タイトルを内容に沿った正しいものにすれば、興味の有る層に正しく届くと思われるのだが……。まぁ、若いモンへの偏見ないのは◎です。2012/03/09

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