内容説明
調印後6年間も放置されてきた核防条約が、なぜ、紛糾に紛糾をきわめた1976年の「ロッキード国会」において承認されたのか?この裏では、日本と人類のために40年間苦悩されてきた天皇陛下の、「あるご意志」が強く働いていた。天皇と政治の関係を憲法改正前夜の日本人に問うため、究極のインサイダーたちの証言をもとに構成した、超弩級のノンフィクション!「朝日新聞」大スクープのベストセラーがついに文庫化。
目次
序章 前尾衆議院議長の遺言
第1章 昭和天皇と田中角栄
第2章 「ロッキード国会」の真相
第3章 衆議院議長の決意
第4章 放置された核防条約
第5章 昭和天皇がもっとも信頼した政治家
第6章 昭和天皇と原子爆弾
終章 天皇と憲法
著者等紹介
平野貞夫[ヒラノサダオ]
1935年、高知県に生まれる。1960年、法政大学大学院社会科学研究科政治学専攻修士課程修了。この年、衆議院事務局に就職。1965年、園田直副議長秘書、1973年、前尾繁三郎議長秘書。委員部総務課長、委員部部長などを経て、1992年に退官し、同年の参議院議員選挙に出馬。自由民主党、公明党の推薦を受け高知県選挙区で当選し、その後、自由民主党に入党。1993年に新生党、1994年に新進党、1998年に自由党の結党に参加。2003年民主党に合流。議会運営と法律運用に精通する唯一の政治家として高い評価を得る。2004年に政界から引退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うたまる
1
「平野君、君だから話すのだが、私はかつて陛下のある”ご意志”に関わった」……ロッキード事件時、昭和天皇から前尾繁三郎衆議院議長への暗黙の指令にまつわるノンフィクション。当時の与野党攻防の裏話は、さすがに当事者だけに生々しくも面白い。で、肝心の天皇の極秘指令がパッとしない。全て「こうに違いない」という勝手な忖度を前提にしているから。それよりも、自民にCIA工作資金が、社会・共産にソ連の活動資金が流入していたことに驚愕。加えて公明に学会の金、メディアに企業の広告費。ふむ、だから誰も国民の方を向いていないのね。2015/01/29
LiLiO
0
原爆による被曝は受けてないにしろその時代を直に体験してきた人たちが少なくなってきてしまって、原爆に対する危機意識が薄れてきてしまっている中で、非核化の重要性、そして日本の立ち位置を再認識させられた。今一度、核兵器について改めて考える必要があるし、日本だからこそできる議論がると思う。それにしても天皇の立ち位置って難しい。2020/08/30