講談社+α文庫
救急精神病棟

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  • サイズ 文庫判/ページ数 466p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062810920
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0195

内容説明

妄想に取りつかれて暴れるエリートサラリーマン、「神様モード」の青年、母親をなじり自死を選ぶ進学校の女子生徒…精神科救急に取り組む最前線の病院を3年間にわたり密着取材し、当代屈指のジャーナリストが圧倒的筆致で描いた現代ノンフィクションの傑作。

目次

入院
回診
病棟
深夜勤
記憶喪失
神様
精神病と脳
生還者
通電療法
強迫
精神科救急
医療と司法
看護士
自殺
家族
混迷
薄明

著者等紹介

野村進[ノムラススム]
ノンフィクションライター。拓殖大学国際学部教授。1956年、東京都に生まれる。上智大学外国語学部英語学科中退。1978~1980年、フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学に留学。帰国後、『フィリピン新人民軍従軍記』(講談社+α文庫)を発表。その後はアジア・太平洋、医療、人物論など幅広いテーマで旺盛な取材・執筆活動を展開。1997年、『コリアン世界の旅』(講談社+α文庫)で第28回大宅壮一ノンフィクション賞と第19回講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。1999年、『アジア新しい物語』(文春文庫)で第11回アジア・太平洋賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

39
精神病に罹った人も家族も大変だろうが、その医療関係者も想像以上の苦労をされている。精神科救急の日本の草分けといわれる千葉県精神科医療センターを3年近くに渡り取材された著者のルポと、日本の精神疾患の現状(03年)。昔は治らないといわれた統合失調症もかなり改善が見られるという。症状や通電療法(電気ショック)なども解説されているが、やはりこういう状況には置かれたくないし、健康でありたい。将来的には予防医学など効果を発揮することを望むが…2020/01/04

hatayan

35
2007年刊。長期入院が当たり前で診療報酬も不当に低い精神病院の現状に一石を投じようと、早期の社会復帰を目標に急性期の精神病患者を専門に扱う「精神科救急」の病院に密着したルポ。 患者の症状や行動は極めて個性的で、著者が睡眠障害になるほど苛酷なもの。しかし、患者が暴れるのは突然突き落とされた精神病の世界で恐怖に怯えているから。患者が病む前に送っていた誇りある人生に敬意を払い、病む人だけでなく周りの人々の背負う重荷にも心を配る。打算を飛び越えた世界で迷いながら現場に向き合う医師や看護師の姿が描かれます。2019/10/11

Nori Shamp

18
さすがの野村さんも、睡眠障害になってしまうほど過酷な取材現場であったことが、胸にずしんと伝わりました。患者と共に地の底に沈んでいくような重さ、長い緊張の時間から抜け出した時の充実感は、患者に向き合い寄り添う医師・看護士にしか分からない感覚でしょうが、読了して、なんとなくそれを感じとることもできました。昔は他人事と思っていた心の病が、今では誰もが患う可能性のある身近な存在となっていることを、改めて思います。巻末の夏樹静子さんの、時々自分の潜在意識に耳を傾ける余裕をもってというメッセージを大切にしたいです。2013/01/25

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

5
実に11年ぶりの再読。2003年著、この文庫版は2007年。ノンフィクションライターの著者が2000年から2003年にかけて「千葉県精神科救急センター」で取材した内容で、一般の読者にも理解できる内容で書かれている。また岩波新書の笠原嘉『精神病』や石川信義『心病める人たち』も古いものの良書なのでこの本の次に読むのにお薦め。 第一・二章。突発的に妄想に取り付かれ、急性症状を来たした患者の受け入れ。その際の職員が全力で対応に当たっている様子が書かれ、とても一言では表せない。→続く2022/04/20

ちい

4
再読でした。以前よりは深く考えてしまった。現場の医師や看護スタッフの過酷な仕事 患者自信の苦しみ…を少しかも知れないが 近づけた気がします。2012/12/19

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