内容説明
墜落。たった一つのミスが悲劇を招く航空機事故。右と左のレバーを取り違える、時差ぼけと倦怠感、コクピットクルーたちは眠りの中…。事故原因には複数の要素があり、単純な「パイロットエラー」という汚名の下に、根源的な「ヒューマンファクター(人的要因)」が無数に隠蔽されているのだ。「誰にでも起こりうるミス」が懲罰の恐れなく、正当に受けとめられ、じゅうぶんに調査研究されない限り、悲劇は繰り返されるのだ。
目次
第1章 生け贅が必要だった航空創成期
第2章 生死をわけたコミュニケーション
第3章 有視界飛行の限界
第4章 機長の心理を支配したもの
第5章 男のプライド
第6章 ヒューマンファクター・人的要因
第7章 自動操縦と「退屈」
第8章 同調と偏側性
第9章 居眠りパイロット
第10章 規制緩和の弊害
第11章 安全への道
著者等紹介
ビーティ,デヴィッド[ビーティ,デヴィッド]
英国海外航空・元機長。1919年、スリランカ生まれ。パイロット、心理学者。イギリス・オックスフォード大学マートンカレッジを卒業後、1940年、英空軍に志願し、第二次世界大戦中に沿岸防備隊のパイロットとして活躍し、空戦殊勲十字章を2年連続受勲。戦後、1946年、空軍少佐からBOAC(英国海外航空)に転じ、大西洋横断航空路の確立に功績をあげる。1999年12月没
小西進[コニシススム]
1937年、大阪府に生まれる。大阪府立大学農学部を卒業し、1962年、パイロット要員として全日空に入社。1972年、YS‐11の機長となる。さらにB737、B767と、25年間の機長歴を持つ。1997年の退職から2000年末まで、同社の乗務員カウンセラーや教官として、多くのパイロットたちを指導(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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