昭和天皇と戦争の世紀

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  • サイズ B6判/ページ数 422p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062807388
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0321

出版社内容情報

三度焦土に立つ運命に生きた天皇の20世紀皇太子時代に第一次大戦の戦場を訪れ、摂政として関東大震災の被害を視察、東京大空襲の焦土にも立つ。総力戦の悲劇を知りながら開戦した背景と戦後の退位論とは

内容説明

二十世紀幕開け、明治天皇の初皇孫として誕生した迪宮裕仁。生涯に三度焦土に立つことになる近代立憲制下の天皇は、激動の時代にあっていかなる役割を担うことになったのか。伊藤博文が制度化に尽力した君主の無答責性は、大正デモクラシーや軍の政治化により変容を迫られる。動揺する国際情勢のなか七千万同胞の中心として歴史の「動力」となった昭和天皇と時代の特質を究明する。

目次

序章 昭和天皇とその時代
第1章 大正期の政治と宮中の活性化
第2章 昭和の船出と激動する世界
第3章 内なる戦い
第4章 大陸と太平洋を敵として
終章 戦いすんで

著者等紹介

加藤陽子[カトウヨウコ]
1960年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻は日本近代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

22
この時代の歴史書での天皇の描き方はいつも受身であまり自分での考え方というのがあまり明瞭になっていないものが多いのですが、この本ではかなり天皇の視点から書かれていると感じました。やはり軍部の独走をあまり快く思わなかった部分も結構あると感じています。かなり資料などを読み込んで書かれた歴史書だと感じました。2014/09/01

樋口佳之

13
米騒動に参加し、刑事処分を受けた八一八五人のうち、在郷軍人は九九〇人(一二・一パーセント)、青年団員は八六八人(一〇・六パーセント)にも達していた。2017/08/06

MUNEKAZ

8
皇太子時代から終戦までの昭和天皇の歩みを、当時の国内外の情勢も交えながら濃密に描く。陸軍皇道派や右翼団体による祭り上げは、明治憲法に織り込まれていた天皇の無答責性を剥奪し、「政治的存在」へと向かわせる。また天皇自身も軍部へのいら立ちから、軍を直接制御に乗り出そうとする。それは立憲君主をあるべき姿としていた昭和天皇にとっては皮肉なことであり、辛いことでもあっただろう。勇ましい言葉の並ぶ勅書や勅語、軍服姿でのメディアへの露出など、天皇の本心はどうあれ国民からはどう見られていたのかを言及しているのも興味深い。2020/04/19

ma3

5
一言でいうなら、非常に勉強になりました。昭和戦前期の政治情勢がこうも複雑に諸勢力が絡み合っていたとは。政府だけでなく、軍部・官僚・宮中。それもそれぞれに諸派があり、それぞれの思惑が絡み合う複雑さ。こうした中で「戦争」に突入していった様がよく見えてきました。でも中国との和平を陸軍が容認していたのに政府・内閣が強硬にしていた局面もあったとは。ほんと、勉強不足を痛感です。2013/09/09

がんぞ

4
皇太子は欧州訪問でヴェルダン激戦地の惨状に近代兵器の破壊力を思い知る、帰国してすぐ摂政宮に/“君主無答責”の原則は、第一次世界大戦処理で破られ、戦勝国はウィルヘルムⅡ世身柄をたびたび要求したが、亡命先オランダは拒否/37Sep第二次上海事変は数日で1万近い戦死者。中国側も空爆が第三国に被害を与えアメリカが不干渉を決める誤算。宣戦布告すると自国船しか軍需物輸入に使えない/同Dec南京アトロシティーには緘黙。翌1月、蒋介石は講和を考えていたが「相手にせず」宣言でやむを得ず強硬化と日記(閲覧は研究者のみ)の分析2022/10/28

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