出版社内容情報
漱石を読むと、なぜこんなに癒されるのか?自分の駄目なところを受け入れることで、人は解放されていく。漱石の悲惨な生い立ちと苦しみに満ちた人生。小説を書くことで癒されていった、その痕跡を辿る。
内容説明
漱石の小説を読むと、なぜこんなに癒されるのか。それは、登場人物が皆「降りている」からだ。『坊っちゃん』は田舎教師になり、それもすぐに辞めてしまう。『それから』の代助は不義の愛を貫いて、上流階級から滑り落ちる。でも「それでいいんだ」。人生の敗者たちに、漱石は、そう語りかける。文庫オリジナル。
目次
青春(坊っちゃんの悲しみ;フィクションの癒し ほか)
恋(「真実の瞬間」;本当の気持ち ほか)
心(人の心を支配するもの;心の厄介さ ほか)
癒し(無駄な会話ほど人を幸せにする;降りたところに道がある ほか)
日本(漱石はイギリスで何を感じたか;夏の蛍、それがクオリア ほか)
特別対談―夏目房之介×茂木健一郎(明治の文学、昭和の漫画;漱石の血、手塚治虫の血と ほか)
著者等紹介
茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年東京都生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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