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講談社文庫
漱石に学ぶ心の平安を得る方法

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  • サイズ 文庫判/ページ数 307p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062770187
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

漱石を読むと、なぜこんなに癒されるのか?自分の駄目なところを受け入れることで、人は解放されていく。漱石の悲惨な生い立ちと苦しみに満ちた人生。小説を書くことで癒されていった、その痕跡を辿る。

内容説明

漱石の小説を読むと、なぜこんなに癒されるのか。それは、登場人物が皆「降りている」からだ。『坊っちゃん』は田舎教師になり、それもすぐに辞めてしまう。『それから』の代助は不義の愛を貫いて、上流階級から滑り落ちる。でも「それでいいんだ」。人生の敗者たちに、漱石は、そう語りかける。文庫オリジナル。

目次

青春(坊っちゃんの悲しみ;フィクションの癒し ほか)
恋(「真実の瞬間」;本当の気持ち ほか)
心(人の心を支配するもの;心の厄介さ ほか)
癒し(無駄な会話ほど人を幸せにする;降りたところに道がある ほか)
日本(漱石はイギリスで何を感じたか;夏の蛍、それがクオリア ほか)
特別対談―夏目房之介×茂木健一郎(明治の文学、昭和の漫画;漱石の血、手塚治虫の血と ほか)

著者等紹介

茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年東京都生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kozue

6
漱石はこころしか完読したものはなく(良いと言われてる小説だから読んだけど、個人的にはどこが良いのか?でした)、三四郎と猫は挫折…という感じでずっと漱石は避けていましたが、この本の解説のおかげで漱石の楽しみ方が分かった気がします。時代に迎合せず降りて生きることも大切なのですね。大学生のときにこの本を読んでいたら、もう少し救われてたかも汗 自分こんなの読んでるーっていう気分にさせてくれる上昇志向ガチガチの本を読むのも好きですが、漱石のように降りてもいいんだよと楽にさせてくれる小説も読みたいなと思いました。2017/03/26

シン

6
「宮崎駿と半藤一利の腰ぬけ愛国談義」を読んで、夏目漱石を本格的に読みたいと思いました。今回この本のタイトルに「心の平安を得る方法」とあったので読んでみた。昔学校の授業でしか触れたことがなく、かなり時間も経っているせいか「心の平安を得る」というのに共感が得られませんでした。「降りる」というのがキーワードのようですが、宮崎さんや半藤さんのような簡単に今あるポジションから降りることのできない方かがどうして夏目漱石の作品に傾倒していったのか実際に作品を今後読み進めて行きたいと思います。2014/02/27

悠々人

4
益々漱石が好きになる本です。こんな読み方もあるのかと思える本です。 漱石を読むと癒される!2014/09/12

まりにゃ

3
49歳で逝った夏目漱石。その文学世界が偉大だということは分かるのだが、どうしても共感できず、今までずっと苦手だった。なぜ苦手だったのか、その理由が、茂木さんの温かい解説のおかげで、分かり易く理解でき、ストンと腑に落ちた。今なら、漱石作品を読んで、共感できるかも知れない。いつか、必ず、『草枕』を読みたい。そしてやっぱり、茂木健一郎の温かく、熱く、高尚な文章は大好きだ。2014/07/25

T.K.

3
漱石を引用しながらのエッセイという感じ。漱石作品の背後にあるものを読み解こうとしているが、その部分に関しては吉本隆明氏の「夏目漱石を読む」のほうが作品に則していて、詳しい解説になっていると思った。それ以外は、クオリアに絡めての解説。吉本氏も茂木氏も読み解いている背景思想は同様であるように思える。本書の1/3を占める夏目房之介氏との対談は、エッセイ部分と重なるところが多く、そうした構成の好き嫌いは人それぞれだと思うが、ちょっとまとまりがないようにも思えた。2011/09/25

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