出版社内容情報
懐かしさとむなしさ。70年代の熱気の余韻南米で貧しい人たちを助けていた友の死を告げる手紙が届いた。デモ、活動家、裏切り……。熱に包まれていたあのころが苦さとともにあざやかによみがえる小説集。
内容説明
’70年代、あの時代の熱はどこにいってしまったのか。南米バルパライソ、極楽谷と称される海辺の町から“わたし”のもとに一通の手紙が届く。学園紛争に引き込んでしまった友人が死んだという。さいはての地で娼婦の稼ぎで生きてきた男の軌跡を辿る“旅”にわたしは出た―。あの時代があざやかによみがえる短編集。
著者等紹介
西木正明[ニシキマサアキ]
1940年秋田県生まれ。早稲田大学教育学部を中退。平凡出版に入社し、『平凡パンチ』『週刊平凡』『ポパイ』の編集に携わる。’80年に独立して作家活動を開始し、『オホーツク謀報船』で日本ノンフィクション賞新人賞を受賞。’88年に「凍れる瞳」「端島の女」で直木賞、’95年に『夢幻の山旅』で新田次郎文学賞、2000年に『夢顔さんによろしく』で柴田錬三郎賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tadashi Tanohata
15
村田諒太が日経で紹介していた作家。私の生まれ1960年代から70年、ベトナム戦争、連合赤軍、浅間山荘の時代。作者の実体験に基づくフィクションで、彼と彼の古い友人の過去から現在に至る絡みを語る短編集。勿論、女性も絡む。確かにあの時代は破天荒だったと、子供心に感じていた私がこの一冊と絡むことに。2018/04/26
雨猫
9
お初の作家さん。最初の1冊にしてはチョイスを間違えたかな。70年代の学生運動を経験した作者と思しき50代の男が当時の知り合いの元へ旅に行く6つの短編集。男の後悔や感傷が綴られる。学生運動にも男のそういった感傷にも疎いのでイマイチ入り込めなかった。しかし抒情的過ぎない筆致は良かった。次は長編にトライしたい。☆3つ2015/10/10