講談社文庫
冬の喝采〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062768368
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

箱根駅伝の裏にある汗と涙、監督との確執 25年間箱根駅伝の首位の座から遠のいている早稲田。中村監督、瀬古利彦を中心としたチームの行方は?そして運命の奇跡が己をランナーにしていた事実を知る。

内容説明

親が死んでも葬式に出るな!早稲田大学競走部の名将・中村清監督は、自尊心が強く、思い出みが激しく、敵だらけの老人だった。果たして、早稲田は箱根路に臙脂の旋風を巻き起こせるのか。そして、主人公の実父母とは…。箱根駅伝の選手だった著者が走ることの魅力と運命の奇跡を描く、感動的長編。

著者等紹介

黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒業、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンス、貿易金融など数多くの案件を手がける。2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。中学時代から長距離ランナーとして活躍し、大学時代は箱根駅伝に2度出場、20kmで道路北海道記録を塗り替えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

123
この本を読んだきっかけは私が好きな三浦しをんの「風が強く吹いている」のレビューの中に「こんなお伽話を有難がるくらいならば、この作品を読め」という酷評をみたからだ。過去一年の辛く厳しい練習、その全てを賭けた闘いが始まる。皆の想いが詰まった襷を繋ぐ駅伝。度重なる怪我と闘いながら必死の思いで箱根路を駆け抜けた等身大の一人のランナーの姿がここにある。確かに同じ駅伝をテーマとしながらも、全く違うアプローチだ。リアリティではこちらに軍配があがる。どんでん返しも派手なドラマもないが、これもまた名作である。★★★★2015/11/16

ジュール リブレ

64
箱根駅伝も最後の4年生。怪我に悩まされた主人公も月に600キロ超の走り込みを続け、正月の箱根に挑む。前年の3区から8区へ。正月の箱根路への長い挑戦が続く。養子だった生い立ちや、実父の若い頃など、ノンフィクションの醍醐味を感じる。   https://bookmeter.com/events/80022021/01/03

ハサウェイ

62
作者が早稲田陸上部に入部して本格的な練習を開始する。やはり怪我との戦い。ランナーの孤独感が伝わってくる。また同じ部には世界を狙える瀬古さんがおり、自分の力を痛感するのだろう。ほぼ毎日つけているであろう練習日誌を基に描かれていて、当時の気持ちがひしひしと伝わってくる。箱根駅伝と言う一つ大会であるが、学生たちは学校のため、チームのため、大きくは自分自身のために襷を次のチームメイトに託す。実際に走った事のある作者だからこそ、描かれる心理が面白くスラスラ読めた。来年の箱根駅伝もひとりひとりのランナーを応援しよう2015/12/09

tengen

60
中学で長距離走に目覚め、チャンピオンシップをとって以降は指導者もないまま故障し高校時代を棒にふる金山が低迷する名門早稲田で陸上に挑むことに。名物監督中村のもと、名選手瀬古達と早稲田の箱根駅伝上位入選を目指す。2015/02/16

B-Beat

44
★初読の余韻冷めやらぬ中での今回の再読、自身ランニングを始めたことも相まって、これほどストレートに身の丈に合った刺激や共感を感じた作品は多くないように思う。前回読み飛ばしたであろう練習の具体的内容などもそこに迫るものがあって入念に読み込んだ。しかしながらエピローグに至り、実父母との再会‥、小出監督のような指導者に出会っていたら‥とあり、それでは東京の私学に進学し名門の運動部員としてその競技生活を全うすることを経済的に支えた養父母のその描かれ方の希薄さが寂しくなってきた。そんな初読の時とはまた違う読後感。 2015/06/15

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