講談社文庫
虹の彼方に

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062768146
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

池澤夏樹が見つめる21世紀最初の10年 世界の色調が大きく変化し続けた日々を、静かに見つめ続けた著者の視点。沖縄、戦争、宗教と国家、テロ……世界と日本を透視する、刮目の同時代コラム!

内容説明

9・11、沖縄の基地問題、宗教と国家、暴走するアメリカとイラク戦争―。劇的に色調を変化させていく’00年代の世界の様相を、著者は沖縄とフランスから7年にわたり見つめ続けた。“移動する知識人”池澤夏樹が、類まれなる洞察力でとらえたこの時代の本質とは?今なお燻る諸相を、鮮やかに斬る名コラム集。

目次

まえがき、あるいは政治の季節
2000年―二十世紀最後の年
2001年―世界の色調が変わった日
2002年―われわれを追い詰めているもの
2003年―何が本当の脅威か
2004年―国家の大義、政治家の嘘
2005年―憲法の前に政治を変えよう
2006年―暴力化する世界で
あとがき、あるいは七年の後に

著者等紹介

池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年北海道帯広市に生まれる。埼玉大学理工学部中退。’75年から3年間ギリシャに暮らし、以後東京、沖縄、ついでフランス、現在は札幌に居住。’87年「スティル・ライフ」で中央公論新人賞と芥川賞、’93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、他にも受賞作多数。他に、『母なる自然のおっぱい』(読売文学賞)など。現在、個人編集で『世界文学全集』を刊行中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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feodor

5
池澤さんの本、久しぶり。2000年から2006年までのエッセイ。9.11を機に代わっていく世界の変化を語った貴重なエッセイといえる。大衆社会・マス社会である現代の中での知識人の役割を模索している池澤さんを感じる。とりわけ、「愚直な諮問機関としての知識人」。アメリカの問題、沖縄の問題というのは、いまだ解決されていないところがあり、まさにいまオスプレイの問題もある。いま読んでも、まったく新しいエッセイだった。2012/07/13

魔魔男爵

4
00年代の世相をネタにしたエセイだが、理系ネタも書評ネタももちろんある。パトリシア・コーンウェルが×で、サラ・パレツキーが○なのがとても参考になった。コーンウェルは一つ読んで私的には△で、読むべき作家かポイする作家か保留していたが、池澤が読むのやめた宣言してるので、ポイ作家確定である。2017/05/11

拓陽(いっぽまえへ)

3
ある文庫の解説で池澤氏を知った。その解説ぶりがあまりにも明晰なので、この作家はただ者ではないと感じ、早速この本を選択してみた。予想通りその論客ぶりはクオリティ高くて流石だ。私などが1度読んだくらいでは完全には理解できないけど、その見識と考察にはわからないなりに読んでいて愉しい。再読したい本が山積だが、その中に入れておきたい1冊。2016/09/20

なおぱんだ

1
北海道出身の芥川賞作家である著者による’00年から’06年までの時事誌や新聞などに連載されたコラムなどの小文を収めたエッセイ集です。政治、戦争、宗教、原子力、沖縄などの日本を取り巻く諸問題や世界の動きを、舌鋒鋭く指摘し続ける著者の視点は、時代を超えて読む人たちに問いかけ続けます。一つ一つが2ページほどの小文なので読むには易いですが、その内容はとても深く、世界の中の日本人としての立場と、日本に生まれた文学人としての視点で語る著者の言葉は、読む人の胸の奥に強く訴えかけます。2022/11/27

コウザイ

1
2000年から2006年に日本や世界はどんな状況だったのか、読みながら思い出した。特にアメリカのイラク侵攻についてのコラムはISILに脅威を感じている現状があるので暗澹たる思いを起こす。2015/03/15

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