講談社文庫
オレンジの壺〈下〉 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062767644
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

大戦間のパリで愛し合った女性を喪った祖父の、歴史の闇の奥に葬られた真実が明らかになる。

佐和子の祖父と愛し合い、身ごもった女性と子供の消息は? 同行の滝井の行動力もあって当時の関係者の重い口から生き証人の女性の存在を聞き出し、エジプト・アスワンへ。次第に姿を現していく諜報戦の真実と祖父の葛藤。その足跡をたどる旅の果てに佐和子が受け止めたものは。幸福の意味を問う傑作長編。

宮本 輝[ミヤモト テル]
著・文・その他

内容説明

佐和子の祖父と愛し合い、身ごもった女性と子供の消息は?同行の滝井の行動力もあって当時の関係者の重い口から生き証人の女性の存在を聞き出し、エジプト・アスワンへ。次第に姿を現していく諜報戦の真実と祖父の葛藤。その足跡をたどる旅の果てに佐和子が受け止めたものは。幸福の意味を問う傑作長編。

著者等紹介

宮本輝[ミヤモトテル]
1947年兵庫県神戸市生まれ。追手門学院大学文学部卒。’77年『泥の河』で太宰治賞、’78年『螢川』で芥川賞、’87年『優駿』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。’95年の阪神淡路大震災で自宅が倒壊。2004年『約束の冬』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はち

14
ついに祖父が「オレンジの壷」になった理由が明らかになる下巻。宮本作品には珍しく、全ての謎が明らかになるどころかかえって謎だらけで終わる。まぁ女性誌に連載されたから佐和子メインになるのは仕方ないが。悪くはないんやけど、少し男臭い作品の方が好きかも。2011/01/20

igaiga

12
最後にはレナーテの人生ばかりが気になってしまった。この本のいいところはいろいろと解決してないんだよねー。なので何回も読んでしまいます。佐和子が少し前向きになったことがよかったのではないかな。2021/03/02

2ndkt

11
▼佐和子が、パリ、アスワンと移動し、謎を明らかにしようとしたのに、全てが解明されることなく物語が終わる。読者としては不完全燃焼感が残ったが、佐和子の「終わらなきゃいけなきから、もうこれで終わりにする」という言葉で納得することにする。▼さらに、著者あとがきにある取材秘話を読み、再度納得させられる。「戦争に向かって幕進する歴史の陰で、何らかの役割を担った人々は、そのことに関して多くを語ろうとはしなかった」とのこと。あの時代の人生は完全に明らかできるものではなく、読後の不完全燃焼感は当然のものと理解する。2014/07/31

紫陽花

9
終盤まで成り行きがどうなるかワクワクして読んでいましたけど、最後はなんか…。2017/02/20

mymtskd

8
祖父の古い日記に書かれていることを確かめにパリからエジプトへ。ミステリー仕立てでこの先どうなるだろうと思わせながら、やはり宮本輝は文学ですね。単なる謎解きではないのです。激動の時代を生きた祖父の足取りを追うことで、戦争がいかに人を傷つけ運命を変えてしまうのか思い知るような読み応えのある作品になっています。2019/04/23

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