講談社文庫<br> 救急精神病棟

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講談社文庫
救急精神病棟

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  • サイズ 文庫判/ページ数 473p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062765633
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0195

出版社内容情報

緊急治療を要する精神病患者に24時間取り組む病院の真実! 日本初、救急の精神病患者を専門に受け入れ治療する千葉県精神科医療センターを3年間にわたり密着取材。「精神科救急」と呼ばれる医療の現場をあますところなく精密に活写した。24時間態勢で最前線に立つ医師、看護師たちの闘いと苦悩と喜び、新薬の登場、そして精神科医療の大変革を描く渾身のノンフィクション。

文庫版のためのまえがき
プロローグ
第一章 入院
第二章 回診
第三章 病棟
第四章 深夜勤
第五章 記憶喪失
第六章 神様
第七章 精神病と脳
第八章 生還者
第九章 通電療法
第十章 強迫
第十一章 精神科救急
第十二章 医療と司法
第十三章 看護士
第十四章 自殺
第十五章 家族
第十六章 昏迷
第十七章 薄明
エピローグ
あとがき
【対談】夏樹静子(作家)×野村 進


野村 進[ノムラ ススム]
著・文・その他

内容説明

日本初、救急の精神病患者を専門に受け入れ治療する千葉県精神科医療センターを3年間にわたり密着取材。「精神科救急」と呼ばれる医療の現場をあますところなく精密に活写した。24時間態勢で最前線に立つ医師、看護師たちの闘いと苦悩と喜び、新薬の登場、そして精神科医療の大変革を描く渾身のノンフィクション。

目次

入院
回診
病棟
深夜勤
記憶喪失
神様
精神病と脳
生還者
通電療法
強迫
精神科救急
医療と司法
看護士
自殺
家族
混迷
薄明

著者等紹介

野村進[ノムラススム]
1956年、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科中退。’78年~’80年、フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学に留学。帰国後、’81年に『フィリピン新人民軍従軍記』(講談社+α文庫)を発表。アジア・太平洋地域、先端医療、メディア、事件、人物・企業論などの分野で取材と執筆を続けてきた。’97年、『コリアン世界の旅』(講談社文庫)で第28回大宅壮一ノンフィクション賞と第19回講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。’99年、『アジア 新しい物語』(文春文庫)で第11回アジア・太平洋賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

335
本書は「千葉県精神科医療センター」に密着したルポルタージュ。ここは「精神科救急」と呼ばれており、文字通り救急の精神科患者を治療する公立病院である。若干、古いために、これが現在の精神科医療を伝えるものか、今はもっと改善されているのかは残念ながら不明だ。(2002年当時は)まさにターニングポイントであったらしい。ルポルタージュを読む限りは、この病院はきわめて真摯に医療に向き合っているように思える。いわば、精神科医療の希望であるようだ。精神科については、私たちは確かに知らないことばかりだ。⇒2016/05/22

ソルティ

292
職業柄と興味からこのジャンルは選びがちだが、どこかに偏らずにフラットに描かれていて良かった。内容は精神病、家族関係、脳との関連、哲学的にみた精神病、偏見、歴史とこれからの精神科医療など多岐なので勉強になる。計見センター長、なかなか人間味があって深い方で、文中でいい言葉がたくさんあった。「「夏美さんが元気になった姿を見て、看護婦さんや看護士さんたちはとっても喜んでいるんだよ。お母さんも、とっても喜んでいる。みんなを喜ばせているというのは、とっても素敵なことだよ。夏美さんが生きているのは、そのためなんだよ」」2022/09/04

あすなろ

101
3年間に亘る精神科救急の密着取材。凄いノンフィクションを拝読。タクシー運転手は言う。あそこに配車されて行くのは嫌だ。或いは黄・緑の救急車に乗せられるという都市伝説。確かに、書かれている患者の状態は壮絶である。暴れたり叫んだり常道逸した姿。ただそれは、患者の強烈な恐れや防御から来ている。そうした患者を診る医療従事者。海の底に穴を開けて見てるような世界と比喩する。それを野村氏は患者を刺激しない様に一切を記憶で脳裏に描写する。治療法・医療従事者の心・患者や患者の家族の心・社会と精神科の有り様と変遷。圧倒された。2019/04/07

kinkin

96
千葉県にある救急の精神病患者を専門に受け入れ治療する医療センターで働く医師、看護師と患者、その家族を追ったルポ。現在は、かなりその認知度と理解が得られていると思っていたが今でも病院周辺にある地域の偏見も多いようだ。精神疾患による犯罪について書かれた医療と司法の項、のことや治療のひとつである通電療法が昔のロボトミー手術と誤解されていること、日本の精神医療の実態について知ることができた。年間3万人ちかく自殺者がいる日本においてこうした医療センターの整備もこれから重要だと感じた。2017/05/03

ベイマックス

90
色々と考えさせられる内容でした。知らなかったこととして、神経症と精神病が違うということ。人格障害も別物とか。◎事件等で、精神鑑定で刑に問えないとか聞くけど、精神疾患がなかったらとしての刑期を医療刑務所で対応出来ないのかな。◎医師も看護師もすごい・尊敬すべき職業だよね。でも、この本にも記載があるけど、『老害』である様々な組織のトップが腹立たしい。そして、行政と役人の腹立たしさ。◎本書とは関係ないんだけど、救命救急医とか最前線で『戦う医師』とは対極の保険外診療で稼ぎまくる美容整形医が大っっっ嫌い。2021/05/08

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