内容説明
多数派キン族の支配下、経済成長に沸くベトナム。だが中部高原には少数民族モンタニャールの存在がある。ベトナム解放三十周年記念番組のロケ中に、女性タレントが誘拐された。叛乱の萌芽か。元戦場カメラマンとともに、奥地へ向かう菱沼大介。そこで目にしたものとは?弾圧と蜂起、壮烈なる魂の黙示録。
著者等紹介
船戸与一[フナドヨイチ]
1944年山口県生まれ。早大法学部卒、探検部に所属。出版社勤務を経てルポ・ライターに。’75年豊浦志朗の名で『硬派と宿命』を発表。以後、『非合法員』『神話の果て』など海外を舞台にした冒険小説で活躍。’85年『山猫の夏』で吉川英治文学新人賞と日本冒険小説協会大賞、’89年『伝説なき地』で日本推理作家協会員、2000年『虹の谷の五月』で第123回直木賞をそれぞれ受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nori
5
It is the best for me in jungle-river stories among Heart of Darkness, Apocalypse Now, this and others. However, as a novel of Funado, this is one of the worst, since readers can easily foresee the next. He might be afraid of much influence from them?2017/01/06
Sumomo Shibainu
2
「船戸作品だな」と感じる作品で後半は特に夢中になります。 ただ残念なのは「男」を強烈に感じさせてくれる人物が現れなかったこと。 どこか現実的というか、無茶でも筋を通す人物が不在だったこと。 小説の中でもそういう人物は生きにくい時代なのかなぁ?(笑)2014/09/16
fin2nd
2
ストーリーの構成が「河畔に標なく」と似た複数視点だったからか、あまり新鮮味がなく、説明的なセリフの多さも相まって船戸作品としてはやや満足度の低い読後感だった。2010/08/13
しょうゆ
1
ベトナム戦争について、勉強したかったのでよい資料となった。最初の一章はなかなか物語が始まらない、焦れったさがあったけど、二章からは色々と見えてきて面白くなった。2017/05/16
のうみそしる
1
初船戸。硬派な文章としゃれた台詞。敵にはもうちょっとがんばって欲しかった。2014/03/25