講談社文庫<br> 「地震予知」はウソだらけ

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講談社文庫
「地震予知」はウソだらけ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 387p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062761703
  • NDC分類 453.3
  • Cコード C0195

内容説明

地震予知がはじまって40年余。莫大な予算を使いながら、いまだかつて一度も予知に成功していない。しかも、予知開始時に「およそ現実的ではない」とされた巨大地震が、「起きる可能性は低い」とされた場所に起き、原発集中地域を襲っている。予知における役人と学者の予算獲得競争から国際的な評価までを解説。

目次

第1章 地震が予知できない理由
第2章 世界最初の地震立法ができてから
第3章 阪神淡路大震災。お役人の変わり身
第4章 不意打ち対策へのシフト
第5章 「東海地震対策大綱」が「大震法」を上塗りしたために
第6章 地震という妖怪と上手につきあう方法

著者等紹介

島村英紀[シマムラヒデキ]
1941年、東京都に生まれる。東京大学理学部を卒業。北海道大学地震火山研究観測センター長を経て、2004年~2005年国立極地研究所所長。日本を代表する地震学者で、マグニチュード8を超える巨大地震のすべては海底に起きることから、世界に先駆けて海底地震計を開発し、海底の地震活動の解明につとめた。その後、アイスランド、ノルウェー、英国、フランス、ポーランド、ポルトガル、アルゼンチン、ドイツなどの各国に依頼されて、開発した海底地震計を使い、大西洋、南極海、インド洋などでの海底地震観測に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

加藤久和

6
地震予知は不可能なのだ。理由の一つは地震は破壊現象であり古典力学では破壊という現象を扱うことは本質的にできないからだと著者は言う。しかし研究を重ねれば地震予知ができるかのような言説が流布され莫大な税金が無駄に費消され続けている。公益のための投資という名目で利権化した地震予知事業に群がる役人と学者。特に国民を人質に取り地震対策予算の獲得競争に狂奔する役人達の行状には毎度のことながら呆れるしかない。巨大地震の度に予算増額で焼け太る地震ムラの連中に対し日本人は真剣に怒るべきだ。是非とも復刊を望みたい好著。2016/05/17

emi

4
地震予知になぜ人(日本人?)は、魅了されるのだろう?震災後、地震雲などのSNSで発言を目にして、未知への恐怖や不安感は分かるが、私の自然な感覚では予知は難しいだろうと思っている。地震そのものを研究する事は大切だが、支配する事は難しいだろう。人の傲慢さも感じるし、陰謀説同ラインに思え、違和感を感じる。国家予算が投じられているのであれば、当然利権もあるだろうと想像も出来る。地震直前の現象はあるだろうが、想定内の幅は人それぞれの思考の幅であり、備える事は大切。地震予知関連は二冊目、予知は可能という本も読みたい。2011/12/25

coolflat

2
日本の地震予知計画は既に約50年続いているが一度も実際の予知に成功していない。地震予知の始まりは1965年の地震予知計画からでこの時に多額の予算が使われ同時に御用学者が誕生する。そしてもっと予算を獲得するために1978年大震法が成立。この大震災法によってできもしない地震予知に多額の予算を延々と使い続ける事になる。近年、地震予知の救世主として期待されたプレスリップ前兆も世界のどの国でも観測された事はなく今や完全に覆されている。地震予知はできない。大事なのは地震が来ても大きな被害を出さないよう対策を取る事だ。2013/04/09

Ko

0
予知が何故出来ないのかってのを細かく説明し、なおかつ今の日本の地震学、各関係省庁の面子の張り合いなど色々な問題を明示している。地震の前兆現象が後出しジャンケンになってることだったり、再現性がなかったり、それでも地震を観察してれば予知出来るんじゃないの?っていう希望のみで予算を取っていく現状など、そして、予知出来る前提なので、不測の事態への対応がおろそかになりがちなど、政治的な問題への言及など興味深い。予知出来るって人達の本を対比として読みたい2016/08/07

うたまる

0
「科学を信じてはいけない。危険を察したら自分の判断で逃げるべきだ」(東桜島小学校石碑)……地震予知不可能派の著書。歴史的に科学的に具体的に地震予知はできない、と確言している。その通りだと思う。地震発生率の誤差が100倍なんて、予測ではなくインチキだ。しかし、今できないからといって予算を付けず研究を縮小すれば未来を閉ざすことになる。宇宙開発だって原子力の安全な利用だって難病治療だって、データを集積し、仮説を検証し、実験を繰り返し前進してきたのだ。所管の縦割りや役人主導を廃した上で、きちんと続けるべきだ。2015/02/26

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