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講談社文庫
我、拗ね者として生涯を閉ず〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062759069
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

内容説明

私は社会部記者であり続けることに、誇りを持っている―。常に人の「善意と無限の可能性」を信じ続けた、ノンフィクション作家、本田靖春。必要なのは、権威でも権力でもない。「由緒正しい貧乏人」として、ただ一人の記者として、生きること。「豊かさ」にあふれた日本人に、欠けているものとは何なのか。

目次

第1部 由緒正しい貧乏人
第2部 植民地朝鮮、支配者の子として
第3部 戦後民主主義、光輝く
第4部 新聞記者への道
第5部 社会部配属、そして暗転
第6部 溌刺たる警察回り、そして遊軍

著者等紹介

本田靖春[ホンダヤスハル]
1933年、京城に生まれる。ノンフィクション作家。’55年、早稲田大学政治経済学部新聞学科を卒業、讀賣新聞社に入社。社会部、ニューヨーク特派員などを経て’71年退社。『誘拐』で講談社出版文化賞(ノンフィクション部門)、『不当逮捕』(講談社文庫)で講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

24
拗ね者。世知辛いご時勢への裏返し。薄っぺらな正義心ではなく、自己体験を踏まえた弱者への思い。転機は17歳か・・・。特に、国旗問題で目にした校長の涙。1人1人が心に抱える重荷。単なる時勢の問題ではあるまい・・・。印象深いのが『シベリア抑留』。(記事掲載のご夫婦との)再会への心の葛藤に、著者の人間性を垣間見る。蛇足かつ僭越ですが、著者との唯一の共通点を発見!「哀愁」のVivien Leighは、本当に良かったなぁ~。(笑)2014/10/02

CTC

9
05年2月単行本、07年文庫初版。『月刊現代』連載纏めにして、04年12月に逝去した著者の絶筆。「変わりなく社会部記者をやっているつもりである」と幕を開ける本書。全ての仕事に体当たりし、自身を曝け出している著者だが、本作は自伝とも云える。「拗ね者」=“正論吐き”はいかにして形成されたか。上巻は読売入社、“警察回り”時代まで。朝・毎に較べると「所得、学歴ともに低い階層を主たる読者層としてきた」読売は、政治・経済・外報ではなく、社会部が花形だった。昭和20年代後半から約10年の社会部黄金期が語られる。2016/11/13

てら

6
「反動保守」を自認する硬骨の(元)社会部記者、最後の一冊。左翼でもリベラルでもないというところに興味を持ち、購読した。次々に大病を重ねた晩年の作品だからか、文章や内容も少々乱れたところがあるが、かえって主張はわかりやすくなっている。(全面的に賛同はできませんが)下巻へ続く。2019/06/23

Miyako Hongo

5
ノンフィクションライターの誰かが影響を受けた本で挙げて絶版だと聞いてたので、見つけて購入。読売新聞社会部記者からライターに転向した筆者の自伝。□まごう事なき昭和の親父。これがどっかの社長だったりしたら、傍迷惑この上ないんだろうが“由緒正しい貧乏人”を名乗ってるからまあ良しとする。仕事一筋、家庭を顧みず厄介事は女房に押しつけてきたんだろうなー、それでも許されてきたんだろうなー。□反骨の人。だから成功者にはなれない。貧乏は男の魅力なのではないかという気がしてきた。□筆者の母、相当キツい思いしてきた人と思う。2017/02/03

JunTHR

5
語られる生涯とそのユーモアや気骨ももちろん興味深いが、連載当時の状況を伝える註釈が凄い。病気により、上巻終了時点ですでに三回の長期休載。一回目は大腸がんの切除、二回目の休載時には壊疽で右膝上から切断、三回目の休載時でさらに左足の切断と書かれている。続けて下巻へ。2016/03/13

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