内容説明
十五歳で著者の祖母は軍閥将軍の妾になる。中国全土で軍閥が勢力をぶつけあう一九二四年のことであった。続く満州国の成立。直前に生まれた母は、新しい支配者日本の過酷な占領政策を体験する。戦後、夫とともに共産党で昇進する母。そして中華人民共和国の成立後、反革命鎮圧運動の只中で著者は誕生する。
目次
第1章 「三寸金蓮」―軍閥将軍の妾(一九〇九年~一九三三年)
第2章 「ただの水だって、おいしいわ」―夏先生との再婚(一九三三年~一九三八年)
第3章 「満州よいとこ、よいお国」―日本占領下の暮らし(一九三八年~一九四五年)
第4章 「国なき隷属の民」―さまざまな支配者のもとで(一九四五年~一九四七年)
第5章 「米十キロで、娘売ります」―新生中国への苦闘(一九四七年~一九四八年)
第6章 「恋を語りあう」―革命的結婚(一九四八年~一九四九年)
第7章 「五つの峠を越えて」―母の長征(一九四九年~一九五〇年)
第8章 「故郷に錦を飾る」―家族と匪賊の待つ四川省へ(一九四九年~一九五一年)
第9章 「主人が高い地位につけば、鶏や犬まで天に昇る」―清廉潔白すぎる男(一九五一年~一九五三年)
著者等紹介
ユンチアン[ユンチアン]
張戎。1952年、中華人民共和国四川省宜賓市生まれ。14歳でしばらく紅衛兵を経験したあと、農村に下放されて農民として働き、「はだしの医者」、機械工場の鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、のちに講師となる。1978年にイギリスへ留学。1982年に言語学の博士号を取得。現在ロンドンに在住
土屋京子[ツチヤキョウコ]
1956年愛知県生まれ。東京大学教養学部卒業。英字誌編集者を経て、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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