内容説明
美智子妃から雅子妃、紀子妃へ受け継がれてきた皇室最大のプロジェクト「皇子の誕生」。失敗は絶対に許されない妃の出産という慶事の裏には、皇室史上初めての病院分娩に挑む医師たちの壮絶な戦いがあった。宮内庁病院の医師が綴った詳細なメモからその全貌を明かす、大宅賞受賞作家による迫真のレポート。
目次
第1章 世紀の慶事
第2章 プロジェクト始動
第3章 宮内庁病院と東宮侍医団
第4章 深夜の危機
第5章 浩宮誕生
第6章 美智子妃とトランジスタ
第7章 「分娩はみせものではない」
第8章 桜貝の宮
第9章 母の笑顔
著者等紹介
奥野修司[オクノシュウジ]
1948年、大阪府生まれ。立命館大学経済学部卒業後、1978年から日系移民調査を南米で行う。帰国後、週刊誌、月刊誌を中心にフリージャーナリストとして活躍。『ナツコ―沖縄密貿易の女王』(文藝春秋)で第27回講談社ノンフィクション賞、第37回大宅壮一ノンフィクション賞を同時受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うたまる
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「日本の帝室の歴史はエレクトロニクスで始まるのか」……宮内庁病院の医師が綴ったメモを基に、美智子皇后のご出産を再現するドキュメンタリー。正直言ってこんなことを書籍として残す意味があるのかと首を傾げていた。が、時は高度経済成長の時代。女性にとって武家政権成立や明治維新以上に重要な、”革命”が始まったのだ。それは家事概念を覆す生活家電の登場と、生存率の飛躍的向上に資する分娩監視システムの導入。妃殿下のご出産は、正に後者の嚆矢となるものだった。病院出産、無痛分娩、胎児モニターなど、全てはここから始まったんだね。2018/07/31