内容説明
時は、過ぎてゆく。何かを成し遂げても何ひとつなさなくても。青春を遠く離れ、その間に何かを得、多くを失った。そんな記憶の断片からなる18の物語は、いまだ胸に残る希望の欠片と諦観の間で揺れている。豊かなユーモアとペーソス、やせ我慢と自嘲、感情と論考、それらに昭和の匂いが織り込まれた上質の短編集。
著者等紹介
関川夏央[セキカワナツオ]
1949年新潟県生まれ。上智大学外国語学部中退。主な著書に、『海峡を越えたホームラン』(’85年第7回講談社ノンフィクション賞)、『「坊っちゃん」の時代』(谷口ジローと共著、’93年日本漫画家協会賞優秀賞、’98年第2回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞)などがある。’01年、「『二葉亭四迷の明治四十一年』など、人間と時代を丹念に捉えた創作活動」により第4回司馬遼太郎賞。’03年『昭和が明るかった頃』で第19回講談社エッセイ賞を受賞した。早稲田大学文学部客員教授
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