講談社文庫<br> 苦海浄土―わが水俣病 (新装版)

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講談社文庫
苦海浄土―わが水俣病 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062748155
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

人の尊厳とは何か いまこそ心打つ<声>を聞いてください

文字が大きく読みやすくなった新装版

工場廃水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽(せいれつ)な記録を綴った。本作は、世に出て30数年を経たいまなお、極限状況にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき<いのちの文学>の新装版。

石牟礼 道子[イシムレ ミチコ]
著・文・その他

内容説明

工場廃水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽な記録を綴った。本作は、世に出て三十数年を経たいまなお、極限状況にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき“いのちの文学”の新装版。

目次

第1章 椿の海
第2章 不知火海沿岸漁民
第3章 ゆき女きき書
第4章 天の魚
第5章 地の魚
第6章 とんとん村
第7章 昭和四十三年

著者等紹介

石牟礼道子[イシムレミチコ]
1927年、熊本県天草郡に生まれる。’69年、『苦海浄土』を刊行、水俣病の現実を伝え、魂の文学として描き出した作品として絶賛される。’70年、第1回大宅壮一賞に選ばれるが受賞辞退。’73年、マグサイサイ賞受賞。’93年、『十六夜橋』(ちくま文庫)で紫式部文学賞受賞。2002年、朝日賞受賞。同年、新作能「不知火」を発表。’03年、『はにかみの国―石牟礼道子全詩集』(石風社)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

427
かつて不知火海沿岸一帯は、温和な海と沿岸漁師たちとの共生関係を長く続けていた。漁師やその家族たちは海の恵みを受け、食する魚にさえも家族のような親近感を持って暮らしていた。金銭的にはけっして豊かではなかったかも知れないが、病気一つしたことのない健康な身体を誇り、本質的な意味における豊かさを謳歌していた。日本窒素水俣工場がやって来るまでは。チッソの構造は過去の足尾鉱毒事件と、そして原発事故と全くといっていいくらいに、その本質を同じくする。すなわち、企業と政治が民衆を踏みにじるというそれである。本書は、民衆に⇒2016/06/08

ちゃちゃ

136
人としての尊厳を剥奪された魂の絶唱。まるで著者が水俣病患者の心と体に移り住んだかのように語られる苦悩や絶望。白眉は、患者の独白形式で記された「ゆき女聞き書き」。全身痙攣で意のままにならぬ体から絞り出される壮絶な言葉。それでも再び人間に生まれ変わって舟で海に出たいと言う彼女。美しい不知火海を死の海に変え多くの生き物の命を奪った無責任な企業や無策の行政へ、抑えようのない憤りが沸々と湧く。だが本作の最大の魅力は、往生できない魂魄の代弁者たる自覚のもと、石牟礼自身が紡ぐ言葉の美しさ、深い文学性にある。まさに傑作。2018/08/24

はっせー

120
環境問題に興味がある人や公害問題に興味がある人がぜひ読んでほしい本になっている!この本を一言で言うと「寄り添う文学」だと思う。水俣病。日窒水俣工場の有機水銀が海へ流失。その海で育った魚を食べた人間が水俣病になった。概要はそんな感じだろう。ここでの話はその水俣病にかかった方やその家族の方の話を中心に書かれている。当事者が思うことを汲み取りその声を拡張する。石牟礼道子は声なき声を拡張し発信する人だなと思った!美しい文と深刻な状況がうまく混じり合っていて化学反応を起こしている!なんども読みたい作品!2023/02/02

chantal(シャンタール)

113
文明の発達に伴い多くの物を私たちは享受して来た。でもその陰にどれだけの犠牲があったのか、想像した事があるだろうか?水俣病の存在は知っていた。でもそれが患者やその家族にどれだけの地獄の苦しみを負わせて来たのか、人間の尊厳を根こそぎ奪い去る物であったのか、全く知らずにいた。動かぬ行政、厚顔無恥な原因企業、そして何より病をタブー視するその他市民の無言の圧力や悪意、どれだけ苦しかったことか。生きる糧を提供してくれた、本来美しく浄土のようであった海が地獄の苦海と化してしまった。今、あの海はどうなっているのだろうか?2019/03/17

なる

105
『悲しみの秘義』で採り上げられていたことから興味をもって拝読。工業汚染の水俣病はこの作品をきっかけにして一般的に認知されるようになったという。ルポルタージュのようでいて実はそうではなく小説表現によるところが大きいという事実に驚かされる。企業に依存せざるをえない集落の生活、原発村をはじめこういった縮図は全国にあるのだろう。第三章あたりから被害を受けた人たちの声が痛切に飛び込んでくる。その真に迫る凄み、魂の叫びのようなものに、無知な自分でも頁を手繰る手が止まり、じっくりとなぞるように読み込んでしまう。2022/02/10

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