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現代思想の冒険者たちselect
フーコー―知と権力

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  • サイズ B6判/ページ数 341p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062743532
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0310

内容説明

「権力」とは“支配―被支配”という二項図式ではたらくのではなく、たえずどこででも生産されるものである。日常のなかに浸透し人々をひそかに動かす「知」の様式にむけられたフーコーの視線は、近代の自己規律的理性が、自発的に権力に服従するという逆説を明らかにする。それは「知」に内在する「権力」の働きの解明であると同時に、近代理性への根本的反省をうながしている。

目次

序章 その死から
第1章 高等師範学校生・フーコー
第2章 北の街へ―フーコーの「さすらい」
第3章 『狂気の歴史』―精神医学の考古学
第4章 「人間」概念の解体―人間科学の考古学に向けて
第5章 政治の渦のなかへ―チュニスからヴァンセンヌへ
第6章 「管理」のまなざし―『監視と処罰―監獄の誕生』とその背景
第7章 「性」と「権力」の迷路―フーコーの最後の苦闘

著者等紹介

桜井哲夫[サクライテツオ]
1949年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は社会学。東京経済大学助教授を経て、現在は教授。近・現代の歴史や思想・文化をめぐり活発な評論活動を展開する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

47
冒頭から、ゲイだ、ゲイだと連発しています。当時はポストモダン的なエピソードとして書かれたのでしょうが、現在のLGBTの文脈からすると微妙な表現といえるでしょう。哲学的な議論にあまり費やされておらず、僅かにある議論も表面的で、哲学の言葉を使ってあまり考えることのなに文章がかけるんだな、と不思議な感じです。視線がジャーナリスティックで、伝記のようでもあり、以前、苦労して読んだ印象と余りにも違うので、この間、目利きができるようになったと良い方に考えます。2019/06/24

masabi

16
三度目の読書。それにもかかわらず新しい発見がある。権力によって形作られる主体はその権力の存在に気付かず、権力関係の網の目でもがくしかない。権力への抵抗も絶対的な権力が存在しない以上、絶え間ない永久の抵抗しかなくなる。では近代的権力が張り巡らされる前の主体といえば…。フーコーは朋友愛を手掛かりにしようとしたようである。2016/06/15

masabi

13
思想から生涯までフーコーについて幅広く扱う。当時の時代や思考枠組みに制限されるのでその背景までも解釈の対象にしなければならない。狂気、言葉、処罰、権力。2014/12/28

りょーや

7
序盤のセクシュアリティやゲイの話と、人生のエピソードの描写が長い。確かに大事だがもっと思想と哲学に言及して欲しかった。難しくて大まかにしか読めていないが、もっと良い入門書はあると思う。もうちょっとフーコーを分かってから読むと読みやすかったかな2020/05/27

yutayonemoto

3
いい。とてもいい。引用の仕方が分かりづらいところが多かったか。翻訳も作者がしているのである程度は仕方ない。P295のインタビューへの応答に涙腺が緩んだ。「私の役割―などといったらあまりにも仰々しい言葉なのですが―は、人々に、自分で考えているよりもはるかにずっと、あなたたちは自由なんだよ、といったり、歴史上のある時期に作り上げられたテーマを真実だとか、明らかだとか思い込んでいる人々に、あきらかであるとされていることなんて、いくらでも批判できるし、くつだえせるものなんだよ、と示してやることにあるのです。」2014/05/09

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