三国志の世界―後漢三国時代

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  • サイズ B6判/ページ数 398p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062740548
  • NDC分類 222.01
  • Cコード C0322

内容説明

流浪の英雄、蜀の劉備。中国詩文に一時代を画した魏王・曹操。老獪な現実主義者、呉の孫権。そして朝鮮半島・邪馬台国をめぐる国際関係。小説『三国志演義』を手がかりに東アジアの戦乱と外交を解き明かし、華麗なる大抗争の実像に迫る。

目次

序章 華麗なる乱世
第1章 斜陽の漢帝国
第2章 群雄割拠
第3章 三分天下
第4章 三帝鼎立
第5章 三国の外交と情報戦略
第6章 かげりゆく三帝国
第7章 三教鼎立の時代
第8章 文学自覚の時代
第9章 邪馬台国をめぐる国際関係
終章 三国時代と現代の東アジア

著者等紹介

金文京[キンブンキョウ]
1952年東京都生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。京都大学大学院中国語学文学専攻博士課程修了。慶応義塾大学助教授などを経て、京都大学人文科学研究所教授。専攻は中国文学。とくに小説と戯曲、および講唱文学を統一的な視点からとらえ、その相互のつながりを社会的背景に即して解明する研究を行っている
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感想・レビュー

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崩紫サロメ

16
「中国の歴史」シリーズでありながら中国文学者である金文京先生が執筆されるという話を聞いたとき、何故、と思ったのだが、出版されてからとても良い本だと感じ、何度も再読している。要は「表象としての三国志」をしっかりと、わかりやすい表現で扱っている。三国志の「物語」は王朝の正統論として何度も用いられたから、正史にみられる「史実」のみを扱うだけでは不十分である。人物なり出来事なりのイメージがどのように形成され、変容していったかという、「記憶の場」としての三国志を感じる。2019/11/22

MUNEKAZ

14
三国時代についてバランスのとれた概説。演義と史実の違いはもちろん、三国の角逐とその背景にある知識人層の役割や思想についても言及している。面白いのは日本・朝鮮など周辺国との外交にも触れている点。邪馬台国が魏志にあるように、中華の正統をめぐる争い中で、いかに周辺国を取り込むかというのが重要な争点であったことがよくわかる。またともに漢を継ぐものとして魏と蜀が並び立てなかったのに対し、そうしたわだかまりのない蜀と呉は対魏という名目の下、対等の立場で皇帝を置き「一天両帝」が成しえたという指摘は成る程と思った。2019/05/30

Porco

10
いろんな固有名詞を持った人がいろんなことをするのを辿るのは、正直なところ、ややこしくて退屈。だけれども、当時の外交のやり方とか、行政、文化、国際感覚などの解説はすごく面白かったです。邪馬台国がらみでは、「景初二年で正しいんです!」説も読めたし。文明論的に三国志を読むのっていいですね。2015/07/22

Toska

6
三国はそれぞれ異なる暦を使っていた。年号の使い分けに見る呉のしたたかさ。必ずしも儒教的な価値観にそぐわなかった皇帝たちの結婚(略奪婚・近親婚)。木簡・竹簡から紙に移行することで成し遂げられた「情報革命」。卑弥呼が魏に朝貢した品が貧弱だったのは何故なのか?等々、様々なトリビアをきっかけとしてその背景を鋭く読み解いていく手並みが抜群に上手い。講談的な面白さばかりでなく、中国史上の画期をなした重要な時代であったことがよく分かる。いいものを読ませてもらいました。2022/09/13

GEO(ジオ)

6
10年ぶりくらいに再読。『三国志』に関する基礎的な研究・概説をほぼ網羅していると言ってよい本。ただ、この本自体が10年近く前の本のため、当時まだ発掘されていなかった西高穴二号墓に関する記述はない。しかし、当時の最先端の研究をほぼ網羅しており、現在においても良書といってよいのではないかと思う。非常によくできた本ではあるが、作者の興味があくまでも中国文学であるためか、なにかと「演義では~」といった記述が目につくのがたまに傷。2015/01/06

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