講談社文庫<br> 取り替え子(チェンジリング)

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講談社文庫
取り替え子(チェンジリング)

  • 大江 健三郎【著】
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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062739900
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

“まだ生まれて来ない者”達への希望を拓く感動の長篇。かけがえのない友の死を濾過し、ひときわ澄んだ光を放つ、大江文学の到達点!“まだ生まれて来ない者”たちへの希望を拓く、感動の長篇小説
かけがえのない友の死を濾過し、ひときわ澄んだ光を放つ、大江文学の到達点!

チェンジリング【Changeling:英】
美しい赤ん坊が生まれると、子鬼のような妖精がかれらの醜い子供と取り替える民間伝承が、ヨーロッパを中心に世界各地に見られる。チェンジリングとは、その残された醜い子のことを指す。

国際的な作家古義人(こぎと)の義兄で映画監督の吾良(ごろう)が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇!

序章  田亀のルール
第一章 Quarantineの百日 (一)
第二章 「人間、この壊れやすいもの」
第三章 テロルと痛風
第四章 Quarantineの百日 (二)
第五章 試みのスッポン
第六章 覗き見する人
終章  モーリス・センダックの絵本


大江 健三郎[オオエ ケンザブロウ]
著・文・その他

内容説明

国際的な作家古義人の義兄で映画監督の吾良が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇。

著者等紹介

大江健三郎[オオエケンザブロウ]
1935年愛媛県生まれ。東京大学文学部仏文学科卒業。大学在学中の57年「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。以後、58年「飼育」で芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮社文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎潤一郎賞、73年『洪水はわが魂に及び』で野間文芸賞、83年『「雨の木」を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大仏次郎賞、84年「河馬に噛まれる」で川端康成文学賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞、94年には日本人として二人目のノーベル文学賞を受賞する
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

408
どう捉えていいのか困惑をおぼえる小説である。基本的には大江のこれまでの手法と似てはいるのだが、同時に微妙な違いをも見せる。まず、本書の主要な登場人物たちは、あまりにもあからさまに現実の人物に同定される。にもかかわらず、それはあくまでも古義人であり、吾良であり、千樫として提示される。大江の手法上の言葉で言うならば、語りなおすことによって「異化」を徹底させたのであろうか。また、最終章だけが千樫の視点から語られ、そこにタイトルの"Changelings"が現れる。しかも、それは多義的な意味を持つ言葉として。2019/09/24

かみぶくろ

113
世界のOeの「レイトワーク」冒頭あたりに位置付けられる作品。相変わらず読みづらいわーとか言いながら苦笑して読み始めたが、読んでいくうちに完全に没入、読了後は深いカタルシス。手法も文章も作品世界も、改めてこの人は「別格」だと感じた。印象的だったのは、筆者自身の悲しみと苦悩の深さ。ノーベル賞という文学者最高の栄誉を得たはずなのに、日常や過去から常に脅威と不安を感じる日々。だからこそ、ラストの「まだ生まれて来ない者たち」への希望に強く揺さぶられる。それは祈りと呼ぶにはあまりに強靭な意志に思える。2015/06/25

かみぶくろ

107
再読。実人生と虚構と先行作品(本作においてはモーリス・センダックの絵本)が一体となって絡み合う唯一無二の文体と世界。濃密な文章。貫かれているのは、自死を選んだ義兄、伊丹十三に対する深すぎる悲しみ。それでも「まだ生まれて来ない者」への強い希望で終わる本作は、筆者自身のグリーフワークとしても、強い存在感を発している。続編的位置付けの「憂い顔の童子」が絶版状態ということが、個人的には深い悲しみ。2019/12/01

白のヒメ

58
大江健三郎の私小説とも言わている通り、高校生からの親友でもあり、義理の兄である伊丹十三との関係が描かれている。ツインソウルやソウルメイトなどという言葉が思い浮かぶほど、芸術的指向も人生おける価値観の重視の志向も似ている二人の天才。凡人の私の想像など追いつかないものなのかもしれないけれど、片方が自死によりこの世からあちらの世へと移行してしまい一人きりになった孤独感、拒絶感はどれだけの苦痛だっただろうか。ただ一つの希望は死者の生まれ変わりを望むこと。生まれ変わって自分のもとへ帰って来る希望なのだろうか。2016/04/11

クリママ

52
私小説かと思われるものの多い大江作品。同郷の友人吾良は伊丹十三。彼の妹であり妻の千樫。そして、当人である古義人。吾良の突然の自殺。彼から継続して送られて来ていたテープを聴き続ける。まるで少年のようだ。日本を離れ、テープからも離れ、心を癒す日々。綴られる吾良との様々なエピソード。そして、若き日にあった衝撃的な出来事。千樫の目線で語られる最終章。センダックの本。はじめてわかる「取り替え子」の意味。そう信じるしかないのだろうか。でも、それは先に読んだ「人生の親戚」とは逆の結末に思える。2019/10/30

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