内容説明
「現在、本艦の全ミサイルの照準は東京首都圏内に設定されている。その弾頭は通常に非ず」ついに始まった戦後日本最大の悪夢。戦争を忘れた国家がなす術もなく立ちつくす時、運命の男たちが立ち上がる。自らの誇りと信念を守るために―。すべての日本人に覚醒を促す魂の航路、圧倒的クライマックスへ。
著者等紹介
福井晴敏[フクイハルトシ]
1968年東京都生まれ。千葉商科大学中退。1997年、警備会社に勤務する傍ら初めて応募した作品「川の深さは」が、江戸川乱歩賞選考会で大きな話題になる。翌年、本作で第44回江戸川乱歩賞を受賞。2000年『亡国のイージス』で日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞をトリプル受賞した
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たきすけ
112
誰にだって大切な物がある。かけがえのない存在がある。難しいロジックは不要。理屈も不要。この戦いは人の想いがぶつかり合った結果産まれた存在意義の証明を巡る物語だったのではないでしょうか?本作の魅力は正にこの点であり、如何にお題目を立てようと最後に思考が還る場所はいつだって自分自身の中に答えがある。私達もきっと自分の存在意義を信じて他者に世界に答えを求めている。柵・血・承認・寂しさ・孤独から暖かさを、愛を。2016/05/06
koba
110
★★★★★2014/02/23
HoneyBear
97
読み始めたらやめられない。読まずぎらいをしていたのが勿体無い。全然軽くない。人間味あふれるアクション・ドラマかつ凄い謀略小説、。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
96
「現在、本艦の全ミサイルの照準は東京首都圏内に設定されている。その弾頭は通常に非ず」・・・。戦後から既に60年以上、戦争を忘れた日本、フィクションだけどありえない話じゃないよね。設定も良かったし、ストーリーの緊迫感もGood!これは文句なしに面白かったです。★★★★
miyumiyu
95
下巻は、ハラハラドキドキの場面展開と抜群のスピード感で目が離せない。あまりにも多過ぎる犠牲が辛過ぎるが、それでも立ち上がり、戦い続ける仙谷達の姿のほうが圧倒的に魅力だった。生死の境目で、宮津の思いが行の悔恨のしこりを取り除いた場面では涙が止まらなかった。そして、ほとんど登場しなかった宮津夫人の最終章での存在感がもう…。護衛艦や戦闘シーンの臨場感もすごかったが、とにかく人物描写が素晴らしい。とても良かった。2017/09/28