講談社文庫
マークスの山〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062734912
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「俺は今日からマークスだ!マークス!いい名前だろう!」―精神に「暗い山」を抱える殺人者マークス。南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。被害者たちにつながりはあるのか?姿なき殺人犯を警視庁捜査第一課七係の合田雄一郎刑事が追う。直木賞受賞作品。

著者等紹介

高村薫[タカムラカオル]
1953年、大阪に生まれる。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、’90年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。’93年『リヴィエラを撃て』で日本推理作家協会賞、『マークスの山』で直木賞を受賞。’98年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

490
ひじょうに緻密な積み上げの手法による小説作法。それは、あたかも刑事たちによる地道な捜査をなぞるかのようだ。上巻を読了した段階で、最初は何のことなのかさっぱりわからなかった事件の全容が、ようやく像を結んできた。それにしても、主人公の合田が属している警察組織の、なんと心身ともにストレスの大きい環境だろうか。そしてまた、国家権力の何ともやりきれない強大さと執拗さとを思う。このあたりは、いかにも高村薫氏の真骨頂か。すなわち、中央に対する反権力的な姿勢を強く感じるのである。きわめてよくできた警察小説というべきか。 2017/10/15

遥かなる想い

262
第109回(1993年)直木賞。 警視庁捜査一課 合田雄一郎を中心とする 捜査陣と、マークスとの闘いの物語だが、 マークスの異様さが 際立つ。 上巻は 種まきの印象が強いが、下巻に どう結実していくかが 楽しみ。2018/08/15

おしゃべりメガネ

214
’94年度の『このミス』1位&直木賞受賞作品です。とにかく過去これまでに、こんなにも1ページにおける文字数の占有率の高い作家さんにあったことはありませんでした。とにかく1ページに文字が隙間なく、びっしりと書かれており、かなりの‘大敵’でした。作家さんご自身もその作風を認めており、心してかからないととんでもない目にあう?作品です。内容自体ももちろん、文字数に比例?して素晴らしいモノですが、最初のうちは慣れないと少し大変かなと思います。読みやすいかと言われれば、自分的には読みやすい部類ではありませんでした。2009/06/03

zero1

186
直木賞受賞作。すべては南アルプスから始まった!その後、都内で元ヤクザが殺される。頭には孔が。凶器は何か?事件は続く。「照柿」「レディ・ジョーカー」「冷血」などにも登場した合田警部補と謎の男マークスが交互に描かれる。合田の元義兄(離婚した妻の兄)は検察官。捜査陣は特徴を持って描かれており、「人が捜査している」という点を描きたかったのがよく分かる。過去の事件がどう絡むのか?犯罪はどこで種が蒔かれたか。作者を知るにはこの作品を読む必要がある。「重厚」だが「読みにくい」という批判も結構ある。下巻に続く。2019/01/16

ナルピーチ

175
都内で発生した連続殺人。1人は元ヤクザ、もう1人は法務省に務める検事。関連性のない二人だが殺害方法が酷似していた。ただの愉快犯による犯行か、それとも計画的な犯行なのか。警視庁捜査一課の“合田雄一郎”がこの事件の謎を追う。各章のタイトルが種子の発育に見立てて付けられているのが特徴的。これが意味するのは犯人の犯行に至る心情を表しているのだろうか。『16年前の事件』との関連性は?『マークス』が意味するのは?『明るい山』『暗い山』とは何か?様々なキーワードを残しつつ下巻へと続く。2020/11/21

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