内容説明
脳科学の最難関「自己意識」の謎に多くのノーベル賞受賞者も挑戦してきたが…。音読や単純な計算ではなく、会話と散歩が脳を活性化。
目次
第1章 ヒトは「脳」から離れられない(なぜ、という問い;因果関係を知る乳児 ほか)
第2章 脳科学氾濫の系譜(デカルト;ガルの骨相学 ほか)
第3章 前頭葉ブーム(前頭葉ブームの火付け役;音読、計算と前頭葉機能 ほか)
第4章 脳科学の到達点と限界(脳機能イメージング法に内在する問題点;血流が増えることの意味は? ほか)
第5章 脳機能イメージングで何が分かるか(研究成果の誇大表示の背景;臨床医学と脳機能イメージング ほか)
著者等紹介
榊原洋一[サカキハラヨウイチ]
1951年、東京都に生まれる。医学博士。東京大学医学部を卒業。東京大学医学部講師、東京大学医学部附属病院小児科医長を経て、お茶の水女子大学教授。発達神経学、神経生化学を専門とし、小児科医として発達障害児の医療に長年携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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london3
8
ゲーム脳であったり、脳トレであったり。全て医学的に確証があるものではない。かといって全く効果がないかとも断言できない。なぜなら、統計学的にもちゃんと証明されたデータがないからだ。まだまだ脳の秘密の壁は高い。分かりやすい、受け入れやすいキャッチーな単語だけがマスコミによってはやらせられる現状は改善されねばならない。といいつつ、そういうキャッチーなのを作り出したいとも思っちゃうダメな自分もいる。2010/08/07
Humbaba
3
マスコミで報道されている脳に関する情報は、説明不足な部分が多い。説明不足なだけならまだましだが、ものによっては全く明らかではないものもある。それなのにどんどん報道されることで、脳科学に関する間違った神話が広がってしまっている。2010/02/22
風見じじい
1
現在もてはやされている脳トレなどの根拠となっている簡単な計算などが脳の血流を増やしボケ防止になるということに批判している。脳の血流量=脳が働いているとはならないようだ。脳に流れる血液の量はいつも一定だという。2020/01/29
ゆらゆら
1
最新の脳科学と、似非科学としての今流行りの「脳科学」の系譜が順を追って書かれていて面白かった2012/03/15
まさきち
1
脳の機能は「局在」しないことがわかった。脳の話は、単純化したがる胡散臭いものばかりマスコミにとりあげられるけど、この本は脳科学の(今のところの)限界と、わかったことを誠実に説明している。こういう本が平積みになってほしい。2010/01/05