講談社+α新書
狂気と犯罪―なぜ日本は世界一の精神病国家になったのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062722988
  • NDC分類 498.99
  • Cコード C0295

内容説明

患者数、病床数、入院日数のすべてが世界一。精神障害者を取り巻く、驚愕の歴史と現状。

目次

第1章 社会から排除される「狂気」(徘徊する浮浪者を排除せよ;文明と裸体の取り締まり ほか)
第2章 「狂気」を監禁する社会(精神障害者管理は家族の責任;相馬事件というお家騒動 ほか)
第3章 法の世界における「狂気」の地位(死刑の光景;江戸時代の刑事裁判 ほか)
第4章 社会から「狂気」を狩り出す精神医学(法律の消滅を夢想する刑法学;刑罰が癒す「悪性」という病 ほか)
第5章 社会と法の世界から排除される「狂気」(「精神衛生法」の制定;精神病院ブームへの公的援助 ほか)

著者等紹介

芹沢一也[セリザワカズヤ]
1968年、東京都に生まれる。慶応義塾大学大学院社会学研究科博士課程を修了。社会学を専攻する傍ら、大正期を中心とする近代日本の思想や文化、社会に研究分野を広げる。京都造形芸術大学で日本文化論、学習院大学で日本政治思想史を教える非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

15
古くはライシャワー事件、最近では池田小学校事件といった一つの事件が社会をヒステリー現象に陥れ、法制度改正に至る。たった一人の触法精神障害者の振舞により、全障害者の運命が左右されるのが現実と分かる。精神に病を持つ人の人権確立はまだ遠い。2020/03/22

Taka

14
池田小事件、ライシャワー事件、狂気の虜になった人間が犯した犯罪は、精神病患者への忌避感を生み出しそれによって彼らは社会から疎外される。日本には34万床もの精神病棟数がある。この数は世界から見ても多い。日本が文明開花した時代、裸や狂気は罪となり取り押さえられた。狂気は監禁されるものとなった。法律では精神異常により罪が免除されるというが、法によって支払う懲役という対価ではなく法律の外に精神病者を追いやる行為。ほとんどは普通に暮らしている。過剰な意味づけから精神病を普通の病気にすることが必要という主張。うーん2023/12/15

カザリ

12
今年、もっともスリリングな内容の本だった。長沼さんと同じくらい好きな人になりそうだ~!(レビューではない)2015/05/09

イボンヌ

9
日本の精神保健の歴史をまとめた、大切な本でしょう。介護の研修テキストには出てないような、リアルな事実が書かれています。早く普通の病気と同じようになればいい。2017/02/21

kinoko_kinako

9
3.5 逮捕した時、警察と検察が精神障害者だと判断すれば、たとえ殺人であろうと82%が不起訴になり、病院送りだったなんて知らなかった。その後も精神病院の院長が退院の判断をすれば何事もなかったかのように社会にもどるなんて。再犯率はどれくらいなんだろ。2012/07/29

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