内容説明
江戸から明治へ―。変わりゆく時代の節目、華やかな京の路地裏にたたずむ、7人の少年たち。明日への迷いを抱えつつも、“生きる”ために必死でもがく、彼らの熱い青春を描いた珠玉の短編集。
著者等紹介
吉橋通夫[ヨシハシミチオ]
1944年、岡山県生まれ。法政大学卒。「季節風」同人。『たんばたろう』(TBSブリタニカ)で毎日童話新人賞受賞。『京のかざぐるま』(岩崎書店)で日本児童文学者協会賞受賞
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感想・レビュー
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takaC
61
御一新の世で直向きに生きる若者たちの話。ちょっと前に読友さんに紹介する機会があって思い出し、その後文庫では読んだけどこっちを読むのは11年ぶり。ん?12年ぶりかも。2018/04/14
seraphim
18
読友さんにご紹介いただいた本。幕末から明治にかけての、時代に翻弄される少年達のお話。ままならない現実に直面した時、道をそれたり、前に進めなくなったりと、つまずいてしまう彼ら。そのタイミングで差し伸べる、周囲の大人達の手が暖かい。ちゃんと自分を見てくれている大人がいるというのは、とても心強いことだ。主人公の少年達も、また前に進みはじめる。歴史的な事件が背景に描かれているのも良い。とても好みのお話だった。2018/03/21
かぐら
4
久しぶりに読んだ。小学生のときは、出てくる「廃刀令」や「新政府」という単語に馴染みが無くて流し読みしていたが、日本史を学んだ今では、背景に思いを馳せながら読むことが出来た。授業では政府や国の動きに焦点が当たるため、民間の様子はあまり考えたことがなかった。江戸から明治へと移ろっていく混沌とした感じが素敵。「車引き」が1番好きかな。2020/02/18
ぴょこたん
4
維新前後の京都を舞台とした、町で働く少年が主人公の短編集。 時代に振り回され、挫折しかけた少年を、いい大人が正道に導いていく。これが一貫したテーマ。 時代劇・時代小説ってのに興味のない私だが、この本を読んでその面白さが理解できた気がする。現実では絵空事になってしまう話が、時代劇なら違和感なく楽しめるという効果があると考えた。 私と同じように時代劇・時代小説に関心がない人でも、気軽に読めるし、読後感も気持ちがいい。 挿絵は『バッテリー』の佐藤真紀子さん。いい感じ。 2006/06/26
チルチルみちる
3
幕末の志士が好きなので時代背景を感じて読めたので楽しめました。時代の混乱に生き方が大きく変わった少年たちだがそれでも懸命に生きる。志士ばかりが生きていたんじゃないだね。2014/11/11