内容説明
ドイツ娘との恋に煩悶する留学中の医学生・森鴎外が伯爵殺害事件に遭遇、究明に乗り出す。事件の背後には鉄血宰相ビスマルクが!?(『伯林‐1888年』)。東京‐福岡。ワンマン社長と美人秘書の連続殺人を繋ぐ鍵は?巨大ホテルを舞台に展開する密室トリックとアリバイ崩しに挑む本格推理。(『高層の死角』)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mintia
11
「伯林-一八八八年」は、森鴎外やビスマルクなどの実在の人物が登場して楽しかった。「高層の死角」は次から次へと謎が出てきて一気に読んだ。2017/09/21
nbnra
2
海渡英祐の作品は現在これくらいしか手に入らないのが残念。雪と鍵の二重密室テーマをよく処理していると思う。「高層の死角」は社会派に分類されるが、アリバイトリックがよく考えられており(時代背景には古さを感じさせるが)、謎解きの面白さを味わえた。2010/09/02
夢見ひつじ
1
乱歩賞作品、乱読中。但しこちらは「高層の死角」のみ読んだ。森村誠一さんがこの賞出身とは知らず、さらに初森村さんだったが、トリックにつぐトリックでとにかく長く感じた。しかし実際の調査はこんなようなのかも知れないとも思う。ひとつ謎が解けたからといってすぐに逮捕には至らないだろう。しかし長かった。また、後半は読んでいてわかりづらかった。でも最後までぐいぐいひっぱられて読むことができた。最後に載っている審査員の言葉が面白く、次の年の受賞作にも興味が湧いた。2013/05/28