内容説明
日本の濁流を泳ぎ、カネのためには手段を選ばぬ経済誌主幹。政官財に蠢く男たちの欲望を手玉にとり、巧妙な手口で取り屋の本領を発揮する。持ちつ持たれつの癒着の仕組みのなかで、それぞれの思惑は限りなく肥大する。この恐るべき腐敗の実態を迫力の筆致で描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
23
主人公らしき経済雑誌出版会社の主幹やその義理の息子を含めた家族は完全に創作だと思ったが、それを取り巻く財界、政界はほぼあからさまに描かれていた。1990年前半の状況を描いていて弱みを握って金をせしめる主幹の日常が描かれる。勲章や賄賂、ゴルフの会員権、新興宗教、あらゆる醜い財界、政界の姿を著者は描き出していた。2017/02/21
Z
9
別に面白くないかな。経済雑誌の経営者がメディアという力を手にお金を集める様が描かれる。著者は取材をもとに作っているのである程度事実を反映しているが、どの程度かわからない。ノンフィクションとして書いてもらった方が、面白く読めたとおもう。2019/01/18
chinayo
3
『濁流』の続編。経済誌の社長が、お金と名誉に物を言わせて、幅を利かすという内容。作家は取材をして、本当にあった世界を書いたらしい。2018/01/12
gogoolump
3
相変わらずのリアリティで描かれるトリヤの話。企業の弱みを仄めかし法外な金をふんだくる経済誌。政治家、暴力団、財界人の腐敗極まれりというとこである。2016/09/19
おぎん
3
こんな世界もあるのかなと、自分の世界とは離れすぎていてあまり現実味がないというのが感想2016/08/18