内容説明
図書館を訪れた「私」は、いつの間にか別世界に迷い込み、探偵天下一になっていた。次々起こる怪事件。だが何かがおかしい。じつはそこは、「本格推理」という概念の存在しない街だったのだ。この街を作った者の正体は?そして街にかけられた呪いとは何なのか。『名探偵の掟』の主人公が長編で再登場。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
273
常に読者の目を意識した天下一の言動は本格ミステリの約束事を意識的に揶揄したものだし、また作者の生の声でもある。そして読み進むにつれ、東野氏の本格ミステリからの訣別宣言を表した書だということが解る。訣別しようと思いながらも本格ミステリが持つ独特の魔力に抗えない、そんな心情を東野氏はこの作品で表している。そんな観点で読むとまた当時の東野氏の作家としての立ち位置垣間見え、興味深く読めるのではないだろうか。ただやはりある程度本格ミステリを読んでからにしてほしい。そうでないと解らない面白味に溢れているのだから。2012/04/09
Kircheis
231
★★★☆☆ 実は前作『名探偵の掟』よりこっちを先に読んだので、最初イマイチ作品世界に入り込めなかったものの、読み進めるにつれてだんだん良くなってきた。 星新一ばりの不思議小説?と思ったら単純に夢オチ的な終幕を見せる。 その夢が東野氏の本格推理への熱い想いを表している。 『勿忘草』がいい味出してた。2019/02/24
takaC
169
別の意味での推理小説だね。東野作品入門者には向いていない。2007/10/05
ダイ@2019.11.2~一時休止
154
天下一大五郎その2。本格ミステリのない世界に迷い込んだ探偵のお話。シリーズものだけどテイストがちょっと違う。面白かったが前作の方が自分的には好み。2013/07/09
どんちん
154
名探偵の掟とあわせて一気に読んだ。 天空の蜂も読んでいたので、オープニングのつかみもOKだ(笑) 前作の「掟」のように笑えるものかと思っていたが、残念、そうではなかった。 それならそれで、この話はOKである。それなりに読み応えがある。 本格ミステリというのはどういうものであったのかという「掟」と本人にとって本格ミステリに対しどんな思いを抱いているかと作者自身が言っているように、素直にこの2冊を読めばいいと思う。2012/08/07