出版社内容情報
【内容紹介】
「三国志」はいまだ魅力的な謎に満ちている!!
稀代の奸雄にして破格の英雄――
曹操孟徳の覇業、ここに始まれり!!
帝国最大のタブー「党錮(とうこ)の禁」に挑んだ曹操は、宦官(かんがん)たちの謀略により、冀州頓丘(きしゅうとんきゅう)の県令に赴任し、悪徳官吏を一掃する。その頃、幽州の地では3人の“侠(きょう)”、劉備(りゅうび)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)が運命的な出会いを果たしていた。宦官の専横がもたらした腐敗にあえぐ民は、やがて新興宗教・太平道に力を与えていく。職を辞し郷里にあった曹操は、「蒼天すでに死すべし」の言葉を天下に放ち、その言葉は太平道を武装蜂起へと向かわせる。大乱世の幕開けである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
32
なんという面白さ!!曹操の北部尉や県令時代がこんなに面白くなるなんて思わなかった。十常侍・皇族・地方役人・曹操が見事に織り合って、また違う三国志になっている。黄巾の乱が始まると戦いのスケールが格段に大きくなり、これもまた面白い。曹操の残虐さと聡明さが見事に共存した状態で成立していた。曹操への愛が増していく。劉備三兄弟や呉陣営の描かれ方も、それぞれに魅力的で良かった。感想に困る程、面白い以外に言い様が無い。荀彧かわいい。2019/06/24
つみれ
29
曹操が完全無欠に描かれているので、ライバルの劉備や孫堅は果たしてどうかと楽しみにしていたのだが、それぞれがタイプの異なるリーダーシップを発揮していてとても良い。独特のストーリー展開の合間に、有名エピソードの蒼天航路流解釈が差し挟まれ、結果的にまったく新しい三国志が形成されている。かなり思い切った解釈がなされていながら、しっかりと三国志しているというバランス感覚が見事。物語が黄巾の乱にさしかかると、途端に三国志味が増してくる。黄巾の将の波才や張曼成などは短い出番ながらもこの上なく魅力的に描かれていると思う。2019/07/30
もも
8
劉備登場の巻。この本の劉備は、私のイメージしていた劉備とぜんぜん違うんだよね。でも、だからおもしろい。これから出てくる人物もどんな風な感じに描かれるのか楽しみです。曹操にはいつでもキャーと心の声をあげています。 2011/07/31
モリータ
6
筆のタッチがいいすね。2015/08/14
十六夜(いざよい)
5
曹操孟徳、劉備玄徳、関羽に張飛。英雄登場県令に新赴任した曹操は、搾取を続けていた悪徳官吏を一掃。その後、職を辞し郷里に雌伏の日々をすごす。もう一人の英雄・劉備玄徳も、関羽・張飛と出会う。ここへ来て、主要人物たちがゴロゴロと登場。劉備はやけにあっさり関羽たちと合流したが、"桃園の誓い"が無かったのにびっくり。そして孫堅がなかなかイケメン。2021/07/30