内容説明
心の病の休職者による企業損失が年間約1兆円とも言われる時代。30代に、新しいタイプの「うつ病」が急増している。果たして彼らは、ほんとうに病気なのか?それとも―!?いまどき若年層ビジネスマンの心理を、当代一の人気精神科医が、切り口鋭く読み解く。
目次
序章 三〇代に新型の「うつ」が急増中
第1章 仕事以外のことならできる
第2章 職場に広がる二次被害
第3章 時代が「うつ」を変化させてきた
第4章 責任回避の世代
第5章 対応のしかた、治療のありかた
第6章 「30代うつ」は病気か否か
終章 自分が「30代うつ」だと思う人へ
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
1960年、北海道に生まれる。東京医科大学卒業。精神科医・帝塚山学院大学教授。学生時代より雑誌などに寄稿。その後も豊富な臨床経験を生かして、新聞、雑誌、テレビなどのメディアで、社会批評、文化批評、書評なども手がけ、現代人の“心の病”について洞察を続けている。専門は精神病理学だが、サブカルチャーにも詳しく、幅広く活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Twakiz
31
2006年の本なので一昔前に「新型うつ」と言われていたお話。今は新型ではなくて普通のこと。古典的うつ病は自責感が強いが「新型」は自己愛やプライドはあって周りが悪い、治らないのは医者が悪い、というスタンスになる。「うつ病」の診断書で休職しつつ気分転換に海外旅行、みたいな話は周囲がげんなりする。未熟なパーソナリティーや自分が傷つくことから逃避する心理がベースにあってうつ状態になるということのよう。巷の「前向き・ポジティブ信仰」もほどほどにしないと。自分もパーソナリティーは脆弱。踏みとどまる。今日もお仕事か。2023/10/08
葵@晴読雨読
11
“抑うつ状態”と“うつ病”は別のもの。 当時30代だった人々のその後が気になる。2014/03/22
yurikoany
4
パーソナリティの未熟さがうつ状態を呈する要因のひとつ。 でも、本人だけの問題じゃなくて、社会的な背景も大きい。そんな本。 私も頑張りたい。でも何を頑張ればよいのか、分からない。2019/05/05
Bee
3
30代鬱の実例などが具体的にあげられている内容をみると見方を変えると「わがまま」にしか思えない感は否めません。その「わがまま」を専門用語で分析している内容でした。自己愛は誰にだってあると思う。その自己愛と社会での生き方をうまくやるのが「社会人」であり「大人」であるのではないかと思う。文中にあった”30代で自分を確立していない人が多い"といった内容には自分を含めて納得するものがあります。現在、周りで見聞きするうつについて、具体的で丁寧に解説されている本です。2010/10/29
のなぺんた
2
新型うつ病は色々難しいなぁと思った。自分もこれにあてはまるのかな、などと考えつつ読んだ。ラストで落ち込みがあるのは別に異常ではないし、元気溌剌だけが価値があるわけでもないという言葉があり、何となくすとんと気持ちに収まりがつくように感じた。2011/08/06