出版社内容情報
「言葉を失う」とはどんな状態か、元に戻れるのか。失語症の原因と治療、いますぐ役立つコミュニケーション法を専門医がくわしく解説ひと目でわかるイラスト図解
《講談社 健康ライブラリーイラスト版》
【失語症の原因と治療、いますぐ役立つコミュニケーション法を専門医がくわしく解説】
医療現場でさえも間違った対応がなされることがある失語症。
「言葉を失う」とはどんな状態か、元に戻れるのか?
失語症の正しい知識と治療・対処法を詳説。
患者とその家族だけでなく、介護職も役立つ必読書。
(まえがきより)
本書は、失語症の患者さんやその家族に、「すぐにでも役立つ」ことを目指しました。発症後まもなくのころから知っておきたいこと、検査、治療、家族の対応のしかたについて順番に説明しています。
特に、患者さんとのコミュニケーション法については、多くのページを使っています。最初に述べたことと矛盾するようですが、適切な言語訓練が行われ、コミュニケーション法を身につけた患者さんは、時に周囲の人を驚かすほどに豊かな表現力を発揮します。
ただし、これは患者さんが一人でできることではありません。患者さんの言わんとすることを周囲の人が読みとる、まさに二人三脚のコミュニケーション法です。この本が、患者さんとご家族にとってより豊かなコミュニケーションへの一助となれば、これほどうれしいことはありません。
【本書の主なポイント】
●失語症は脳の血管障害やけがの後遺症として発症する
●聞こえるが、言葉の意味を理解することが苦手になる
●失語症のタイプは千差万別。同じ症状の人はほとんどいない
●症状に合わせた言語訓練で言葉の働きをとり戻す
●言葉の力の回復は年単位。長い目で見て少しずつ
●家族の理解がいちばんの助け。積極的に話す場を設けること
●家族が避けたい3大失敗とコミュニケーションのコツ
【本書の構成】
第1章 失語症とは これだけは知っておきたい
第2章 障害のタイプを知る 検査と診断
第3章 失語症から回復させる 治療と訓練
第4章 家族の助け すべきこと、すべきでないこと
第5章 よりよい生活のために 社会資源を上手に使う
失語症について、どのくらい知っていますか?
【第1章 失語症とは これだけは知っておきたい】
たいへん! お父さんが倒れた!!
なぜ起こる?/脳卒中やケガで脳に障害が起こる
どんな状態?/言葉のわからない国にほうり出されたようなもの
言葉を忘れてしまうの?/言葉の引き出しが混乱する
話せないということ?/口が動き、声が出るより以前の働きに問題がある
耳が遠くなったの?/聞こえるが理解することが苦手になる
認知症になったの?/言葉に関すること以外は衰えない
コラム/失語症とまぎらわしい病気
【第2章 障害のタイプを知る 検査と診断】
失語症ってひとつじゃないの?
失語症の治療/言語聴覚士が診断・治療する
イメージが言葉になる/ものと言葉は脳で結びつく
失語症のタイプ1/言い間違えたり言葉が出なくなる 2/思い違いや「わからない」が多くなる
言葉がイメージになる/文字や音から意味をくみとる
検査/30近くもの項目を細かに調べる
コラム/利き手と言葉の不思議
【第3章 失語症から回復させる 治療と訓練】
いよいよ治療が始まった
治療方針/症状、程度によって治療法が異なる
治療の目的/言葉とともにコミュニケーションをとり戻す
効果を最大限にする/家族は「治療」より「対処法」を重視して
理解力を高める1/ものと言葉の結びつきをとり戻す 2/「何が」「どうする」を使って文章をつくる
表出する力を高める1/ものの名前を漢字で書いてみる 2/言いたいことを説明する力をとり戻す
治療期間/回復は年単位。長い目で見て少しずつ
【第4章 家族の助け すべきこと、すべきでないこと】
Aさん、ひさしぶりのわが家へ
理解はいちばんの助け
避けたい3大失敗
話しかけるときは
話を聞くときは
道具を使う
会話を絶やさない
後遺症のケア
マヒがあるとき
再発防止
【第5章 よりよい生活のために 社会資源を上手に使う】
悩みを分かち合いたい
多いトラブル
交流の場をもつ
社会資源を使う
介護保険や福祉サービスを使う
加藤 正弘[カトウ マサヒロ]
監修
小嶋 知幸[コジマ トモユキ]
監修
内容説明
専門医がくわしく解説。失語症の原因と治療、いますぐ役立つコミュニケーション法。
目次
1 失語症とは―これだけは知っておきたい(ストーリー1―たいへん!お父さんが倒れた!!;なぜ起こる?―脳卒中やケガで脳に障害が起こる ほか)
2 障害のタイプを知る―検査と診断(ストーリー2―失語症ってひとつじゃないの?;失語症の治療―言語聴覚士が診断・治療をする ほか)
3 失語症から回復させる―治療と訓練(ストーリー3―いよいよ治療が始まった;治療方針―症状、程度によって治療法が異なる ほか)
4 家族の助け―すべきこと、すべきでないこと(ストーリー4―Aさん、ひさしぶりのわが家へ;理解はいちばんの助け―患者さんの気持ちによりそって ほか)
5 よりよい生活のために―社会資源を上手に使う(ストーリー5―悩みを分かち合いたい!;多いトラブル―見えない障害は理解されにくい;交流の場をもつ―趣味の集いや患者会などを活用する;社会資源を使う―介護保険や福祉サービスを使う;コラム―言葉と脳の深い関係)
著者等紹介
加藤正弘[カトウマサヒロ]
1935年生まれ。60年慶應義塾大学医学部卒業。65年ウェイク・フォレスト大学(アメリカ)に留学、伊豆韮山温泉病院、慶應義塾大学を経て、86年より江戸川病院院長。98~2003年、日本失語症学会(現・日本高次脳機能障害学会)理事長。専門は神経内科、特にリハビリテーション
小嶋知幸[コジマトモユキ]
1958年生まれ。80年埼玉大学教養学部卒業。89年日本聴能言語福祉学院卒業、99年言語聴覚士となる。同年、東京大学医学部にて医学博士号取得。89年3月より江戸川病院リハビリテーション科勤務、94年より同科科長。2006年2月より、市川高次脳機能障害クリニックを開設。日本高次脳機能障害学会評議員、仙台医療福祉専門学校言語聴覚学科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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1959のコールマン
藤森かつき(Katsuki Fujimori)
モリータ
えいとうっど
まーれ