講談社選書メチエ<br> 戦前昭和の国家構想

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講談社選書メチエ
戦前昭和の国家構想

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  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062585316
  • NDC分類 311.21
  • Cコード C0321

出版社内容情報

昭和戦前の社会を席捲した社会主義、議会主義、農本主義、国家社会主義。4つの思想は、どのように生まれ、破綻していったか。

昭和戦前の社会を席捲した社会主義、議会主義、農本主義、国家社会主義。4つの思想は、どのように生まれ、破綻していったか。

【著者紹介】
1956年生まれ。
一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、学習院大学教授。
専攻は、日本政治外交史。
主な著書に、『危機のなかの協調外交』『日本外交史講義』『アジア主義を問いなおす』『日中戦争下の日本』など多数。

内容説明

関東大震災の三年後に始まった戦前昭和とは、審災復興=国家再建の歴史だった。社会主義、議会主義、農本主義、国家社会主義という四つの国家構想が、勃興しては次の構想に移っていく展開の過程として、戦前昭和を再構成する。

目次

1 社会主義(最先端の知のモード;“革命”の希望;普通の衝撃;“革命”の挫折)
2 議会主義(「昭和維新」;二大政党制の展開;議会主義に対する懐疑;二大政党制の崩壊)
3 農本主義(農本主義―歴史的伝統の再発見;危機のなかの農本主義;五・一五事件;農本主義から「ファシズム」へ)
4 国家社会主義(「独裁政治」対政党政治;新党構想;新体制の形成;新体制の現実)

著者等紹介

井上寿一[イノウエトシカズ]
1956年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程、同大学法学部助手などを経て、学習院大学法学部教授。法学博士。専攻は、日本政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

51
「公益優先」で経済を統制すれば国民生活はどうなるか?という言い方もできます。本書によると、国民生活の細部にまで、国家が介入してきた様子が書かれています。「公益優先」というのは、「国家目的に副ったことを先にやる云ふ意味(P207)」です。・結婚式で「派手」な披露宴は控える。近親者に茶菓子を出す程度に(P205)・「ドライブ」目的の自動車使用の抑制(P204)・「不急不要」の電力使用の制限(P205)。そもそも「派手」とか「ドライブ」とか「不急不要」ってどうやって決めんの!? 2013/04/03

えちぜんや よーた

14
現代につながる話が多い。私がビックリしたことが2点→1.「1938年の厚生省の創設(P197)」2.「1937年の国策政策研究会(近衛文麿のブレーン集団)(P198)最重要課題が電力国家管理法案」 次の本と合わせて読むことをおすすめします。 1940年体制(増補版) http://book.akahoshitakuya.com/b/4492395466 松永安左エ門 http://book.akahoshitakuya.com/b/4623040348 2012/07/31

かんがく

9
なんて面白くて巧みな構成だろうか。この本が出版された一年前に起きた東日本大震災を意識しつつ、昭和改元前に起きた関東大震災から叙述をはじめ、その状況の中で活発化した社会主義(共産党と無産政党)、議会主義(政友会と民政党)、農本主義(五・一五事件)、国家社会主義(革新官僚と近衛新体制)を章ごとのテーマとしつつ通史的に戦前昭和の20年間を描き切る。坂野の『近代日本の国家構想』でも触れられていたが、民政党の社会民主的姿勢と岡田内閣の下での社大党・統制派・革新官僚の協調は、当時の日本を理解する上で重要な視点である。2020/10/11

またの名

8
大震災は分断されていた人々をひとつに統合するキズナが回復する兆しとなる、と考えたのは芥川龍之介。その後の復興とともに激動の昭和を主導しようと企図する様々な社会構想、つまり理論にばかり専念した挙句多くの者が転向して潰えた社会主義、昭和維新を唱えて二大政党制を一瞬だけ成就した議会主義、農村の生活への回帰を謳う農本主義のいずれもが頓挫し、ただ国家社会主義(ファシズム)のみが仮初めの統合を実現した変遷を追う。四つの視点が単線的になりがちな語りを巧みに重層化して、明らかに現代を意識させる筆を読み易くかつ面白く補強。2016/06/24

無重力蜜柑

7
良著。大正デモクラシーの時代から太平洋戦争突入までは、日本にとって如何なる国家構想を実現するかという模索の時代だった。立ち上がった構想は四つ。大衆と無産政党による社会主義、政友会と民政党の二大政党による議会主義、農業家と地方農民による農本主義、そして革新官僚による国家社会主義。国内では戦後不況、関東大震災、昭和恐慌という不安定な経済状況が人心を掻き乱し、国際政治ではソビエト連邦とナチスドイツが自由主義への疑義を突きつけ、満州では関東軍が独走する。そんな時代に各構想がいかに生まれ、挫折していったかを描く。2021/08/26

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