講談社選書メチエ
三人称の哲学―生の政治と非人称の思想

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584920
  • NDC分類 311.1
  • Cコード C0310

出版社内容情報

人間としての正義を根本から考える。   政治学と生物学は、現代思想のシーンではますます緊密な連関を帯びてきている。「ペルソナ」の問題をローマ法やナチズムに遡って検証し、新たな哲学を提示する。

内容説明

非‐政治へ、非‐人称へ。現代思想の最前線にたつ著者が挑む「人格」という装置の脱構築。

目次

第1章 二重の生(人間科学機械)
第2章 ペルソナ、ヒト、モノ
第3章 三人称(非‐人称;動物;他者;「彼」;中性的なもの;外;出来事)

著者等紹介

エスポジト,ロベルト[エスポジト,ロベルト][Esposito,Roberto]
1950年生まれ。ナポリ東洋大学教授等を経て、現在、イタリア人文科学研究所副学長

岡田温司[オカダアツシ]
1954年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻は西洋美術史・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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engawa

2
人間の主人は、理性的な人格か、生きた体か、その両方か、どちらでもないのか? 精神は、肉体の主人なのか? 理性を失えば、人間としての権利はなくて当然か? 理性的な人たちの選挙で選ばれた政府は、理性的か? 責任能力があるのか? 本書の内容は、(思索的な意味で)もっと多岐にわたり、ずっと刺激的。国民の信認を受けている国や政府が信頼できない今、もう一度、中学生に戻った気になって、主体としての人間について考えてみよう。ただし、結論は、教科書とはかなり違うが。2011/09/07

mk

1
西欧由来の「主体」と「人間(性)」という二大概念がかかえる欠如の歴史的由来に切り込んだ意欲的な論説の邦訳。神学的範疇と近代政治的概念の未分化に着目して、近代ヨーロッパ思想の抱える問題に取り組んできたイタリア系ポストモダニズムの潮流から、本書で紹介されたような議論ーたとえば、ローマ法の構成要素に遡ってナチズムや生政治の語彙の系譜を整理するなどーが出てくるのは、ある意味で必然だったろう。とまれ、選書のサイズでは到底収まりきらない議論で、いずれはマルクス主義思想も踏まえたエスポジトの生政治系譜論を聞いてみたい。2016/12/25

ぷほは

1
分析哲学で論じられる人格論とは、かなり異質な展開。要するに仏・独の政治哲学、法哲学、人類学、文学理論を、古代ローマ法等への参照を通してまとめていく、イタリア現代思想のお手本のような構成。ロックやパーフィットなどの英米圏の議論からは程遠い、西欧の政治観にどっぷり浸かっているが、ヴェイユを持ってきているあたりは、おっ、となった。社会学徒からすれば、まずは「法人」論との比較検討、人格でも人称でもないcharacterや概念文字などの議論とのすり合わせなどが必要かと思われる。メディア論との接続はそれ以降かな~。2015/12/01

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