講談社選書メチエ<br> 浜口雄幸と永田鉄山

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講談社選書メチエ
浜口雄幸と永田鉄山

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584364
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0321

内容説明

第一次世界大戦の未曾有の惨禍は日本指導層に甚大な衝撃をもたらした。もはや進むべき道は国際協調以外にないと対中融和を含む協調路線に賭けた浜口。最終戦争は必至と満蒙・華北領有を含む軍中心の総力戦体制の構築を計った永田。ともにテロに斃れた二人の国家存亡を巡る究極の対立を描く。

目次

第1章 田中義一政友会内閣と民政党総裁浜口雄幸(戦前政党政治の展開;対中国政策をめぐる対立と国際環境;構造改革と議会中心主義)
第2章 浜口内閣期の外交と内政(国際協調と対中融和政策;産業構成の高度化とセーフティ・ネット;海軍軍縮条約問題と浜口の遭難)
第3章 構想の相克(永田鉄山と陸軍中堅幕僚グループ;国家総力戦;国際連盟;中国認識)
第4章 満州事変と永田鉄山(事変前夜;柳条湖事件;北満・錦州攻略と独立国家樹立方針;五・一五事件と熱河作戦)
第5章 統制派と皇道派―陸軍派閥抗争(省部首脳会議;隊付青年将校の国家改造運動;陸軍パンフレットと華北分離工作)

著者等紹介

川田稔[カワダミノル]
1947年生まれ。名古屋大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、名古屋大学大学院環境学研究科教授。法学博士。専門は、政治外交史・政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

CTC

10
09年講談社選書メチエ。『昭和陸軍の軌跡』の2年半前の刊行だ。本書が品切れたら、増補版を現代新書で出すべきだろう。くだらない新刊より余程価値がある。 本書は戦前の政党政治家として、内外の政策を最も高度に推進した浜口雄幸と、永田鉄山の政戦略を対比させ、大戦に至る政治展開を描出する。両者は共に、WWⅠ後紛争あらば、それは国家総力戦になるとの共通認識を有した。が、前者は国際連盟を基軸にした国際協調を志向し、平和と安定に基づく産業高度化で国民生活の充実を期し、後者は戦争を不可避と捉え大陸での資源確保を志向し…。2017/09/06

筑紫の國造

9
一方は戦前政党政治を代表する政治家、一方は陸軍を背負うと期待された逸材。ふたりとも来るべき「国家総力戦」を警戒しながら、全く別の道を歩む。議会政治によって軍を統制し、国際連盟と国家間の協調によって「総力戦」を避けようとした浜口雄幸は現実的且つ理想家。力量見識は抜群。永田鉄山は「総力戦不可避」と考え、日本が勝ち残る戦略を立てる。冷徹なリアリストにして、遠大な戦略家。戦前日本にこれだけの人材がいて、「国家戦略」を立てていたことはもっと知られるべきことだ。そして、その両人が暗殺されてしまったという悲劇もまた…。2018/08/30

Yapuppy

6
永田鉄山は日本が戦争の当事者になるだけの資格のある国になる事を願ったが、ついに果たせずに世を去った。日本は戦争の当事者たる実力を持たぬままに米国に宣戦した。核兵器の存在、米ソの超大国化という流れを予測できれば、あるいは永田自身がその防衛国家構想を修正することができただろうか? 結局彼の後継者にはそこまで考えが及ぶ者は居なかった。早すぎる永田鉄山の死が後世に与えた影響は計り知れない。2012/05/10

ぽん教授(非実在系)

2
国際連盟・国際協調路線の浜口雄幸と国際連盟の脆弱さを認識し総力戦体制への移行を着実に行う永田鉄山という二人の国際戦略を対比的に描く。どちらも相当な強度の構想であるとしているが、作者は浜口の路線をより高く評価し、永田には戦争への道を突き進むきっかけになったと批判する点も多いとする。一方で永田だったら日中戦争や日米戦争に直面したとき柔軟に対応して自分の構想に修正を施した可能性があるとしている。果たして著者の評価がどうなのかは別の永田の評伝を読んでから考えるとしたい。2015/08/03

樋口佳之

1
濱口内閣についての本読まないと2015/08/31

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