内容説明
任那日本府はなかった。韓半島に存在する倭人前方後円墳の意義とは。藤ノ木古墳になぜ新羅産馬具が副葬されたのか。韓日考古学の成果を総合し、加耶から百済・新羅に至る古代韓日交渉史を新たな視点で読み直す画期的論考。
目次
第1章 古代韓日交渉史を見なおす(古代の韓日交渉史への問題提起;古代韓日交渉史研究の新しい地平;新たな古代韓日交渉史へ)
第2章 加耶と倭―古代韓日交渉の始まり(金官加耶と倭;阿羅加耶と倭;小加耶と倭;大加耶と倭)
第3章 「任那日本府」はなかった―百済と倭(在地首長か倭人か―栄山江流域の前方後円墳;前方後円墳はいつ造られたか;個々の前方後円墳の分析;被葬者はだれか―栄山江流域と九州地域の関係;倭人の役割は何か;なぜ倭人の前方後円墳が造られたのか)
第4章 藤ノ木古墳馬具の出自はどこか―新羅と倭(新羅と倭は敵対的ではなかった;日本列島の新羅文物;新羅地域の日本列島文物;頻繁な交渉はなぜ起こったか)
終章 古代韓日交渉をどう見るか
著者等紹介
朴天秀[パクチョンス]
1963年生まれ。慶北大学校大学院考古人類学科修了後、大阪大学大学院博士課程留学。現在、慶北大学校人文大学考古人類学科副教授。専門は、韓・日の考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takeapple
15
前に読んだ高田貫太『海の向こうから見た倭国』が韓国に留学した日本人考古学者が書いた本であったが、これは日本に留学した韓国人考古学者が書いた本。こちらも3世紀から6世紀の日本列島と韓半島の関係が、一方的な軍事侵略でも一方的な文化伝播でもなく、分立していた各地の王権、より大きな新羅、百済、倭王権(ヤマト王権)が互いに連繋合従しながら、時には争い、時には平和的に交流していたことを、考古学や文献史学の成果をもとに描いている。こちらの本が高田本より先に書かれ、二人は一緒に研究する仲間であるようだが、とてもいい本だ。2019/09/03
おらひらお
0
2007年初版。購入当初、目を通し本棚へ納まっていた本。最近、韓国の考古学に関心を持ち出し、再読する。さすがに関心が高いと内容の吸収もよい。著者は日本の状況にも詳しく日韓交渉史を著述するには最適な人かもしれない。がやや繰り返しが多いことが目に付く。2011/01/09
sgnfth
0
古墳のとこが気になった2009/10/24