講談社選書メチエ
統合失調症あるいは精神分裂病―精神医学の虚実

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583169
  • NDC分類 493.76
  • Cコード C0311

内容説明

目の前の何でもない風景が急にまがまがしく見える時。そこからはじまる「病」はいかに進展するのか?いかに回復していくのか?果たして何が「分裂」し、何が「失調」するのか?精神科急性期治療の第一線に立ち続けてきた著者が、従来「精神分裂病」に付随して語られてきた誤謬を論破し、治癒へつながる「病の本質」を解明する講義。

目次

第1回講義 決まり文句を疑う
第2回講義 精神医学に潜む虚妄
第3回講義 急性期医療と「陰性症状」
第4回講義 現実と妄想
第5回講義 妄想の発生と由来
第6回講義 運動が阻害されるということ
第7回講義 取り憑かれるということ
第8回講義 「自我」「自分」「主体」「自己」
第9回講義 何が分裂し、何が統合されるのか

著者等紹介

計見一雄[ケンミカズオ]
1939年東京都生まれ。千葉大学医学部卒業。医学博士。1985年千葉県精神科医療センターの設立にあずかり、今日もセンター長をつとめる。精神医学の中に「精神科救急医療」の領域を開いて実践し、臨床に携わっている。日本精神科救急学会理事長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TsumuRi

1
精神科医が統合失調症についての知見を9回にわたって講義したものの書き起こし。この人職人ぽいよね。素人が読むと、意識とは何か、欲望とは何か、行動はどうやっておこるのかという素朴な疑問に対するひとつの解釈を、統合失調症という病を媒体として語ろうとする試みにも見えた。対象にラベルを貼りそのラベルを見るのではなく対象の見ているものを生の形で見るという姿勢。妄想の中にも飛び込んでいって普通にツッコミを入れる。素敵だ。2010/06/28

amanon

1
内容の是非はともかくとして、とにかく著者のべらんめえ調というのか、小気味良い語り口がなんとも気持ちよい。その語り口に乗せられて、最後まで殆ど一気に読めてしまう。ただ、現今の精神医療のあり方に対する著者の批判がどれだけ時宜を得ているかというのは、ある程慎重になせねばならないとは思うけれど。後、人間の意思決定に否定(ノー)という意思表明が根底にあるという主張は非常に興味深かった。2009/09/09

tekesuta

0
今まで統合失調症といえば幻聴があって妄想があって無気力無表情になって…という説明を思い浮かべていたのだが、著者はこの本で自分の考えとして、予測して行動するための計画を脳ができなくなっているのがこの病気なのではないかとしている。確かにこの説明のほうがより根源的ではある。数々の症状はそれに対抗する、いわばウイルスがいるから熱を出す、の熱の部分なのであろう。精神医学の虚実というサブタイトルはその熱さましで対抗するような治療のあり方に疑問を投げかける著者の姿勢が現れている。2012/08/24

発起人

0
精神病は「ただの病気」である-7300件の緊急精神医療に携わった職人的精神科医の講義録2006/08/03

tk

0
あんまおもろくなかた2011/12/05

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